【ポッドキャスト #47】そもそも「戦略」って何だろう?
経営戦略とは何か?
この問いに明確な回答を示すことは、簡単ではありません。
キーワードは「ステークホルダー」。このワードを軸に「戦略の三層構造」を解説します。
三層は上位から「経営→コミュニケーション→情報」。一つ一つひもときます。
音声(番組)は以下より聴取できます。
・ポッドキャスト:#47
・Spotify:#47
以下、テキスト版です。ぜひご一読ください。
■戦略とは何か?
荒木:今日は少し「マニアック」なテーマですが、避けて通れない話です。そもそも 戦略とは何か?
これを経営と広報の視点から整理したいと思います。
濱口:マニアックと言いつつ、毎回本質に直球ですよね(笑)。
■戦略は“三つある”
荒木:まず結論から言うと、戦略には三層構造があります。
① 経営戦略
② コミュニケーション戦略
③ 情報戦略
この3つが一気通貫でつながって、初めて企業は「選ばれ続ける」状態をつくれます。
濱口:経営、コミュニケーション、情報。全部違う意味を持って連動してるんですね。
■経営戦略=ステークホルダーとの約束
荒木:経営戦略は一言で言うと、「ステークホルダーとの約束」です。
この視点を得たとき、自分の中で戦略が一気にクリアになりました。
濱口:
約束、ですか。
荒木:そう。約束には必ず「期待」が生まれます。
期待に応えること──
これが 「レスポンス(responsibility=責任)」です。
つまり経営戦略は、誰と、どんな価値を、どのように共につくるのかという宣言なんです。
■コミュニケーション戦略=約束を共に果たす
荒木:次に来るのがコミュニケーション戦略。これは約束を「共に果たす」ための実践です。
見る、聞く、考える、伝える。
社員、顧客、パートナーなど、あらゆるステークホルダーと関わりながら、
日々の行動によって関係を育てていきます。
濱口:リアルなやり取りそのものが、コミュニケーションなんですね。
■情報戦略=共創を循環させる「媒体」の設計
荒木:コミュニケーションだけでは、その瞬間で消えてしまう。
そこで必要になるのが情報戦略=媒体戦略です。
情報とは何か? 「人の意識・判断・行動を変化させるもの」です。
その情報を「媒体」に載せて残す。
だから価値が蓄積し、循環し、共有価値(CSV)が生まれる。
濱口:「伝達」だけじゃなく、「共創の循環」が目的なんですね。
荒木:そう。ニュースルームはこの循環の「母艦」です。
リアルなコミュニケーションを媒体化し、蓄積し、価値を回し続ける場所。
■三層構造の本質は「仲間としてのステークホルダー」
荒木:ステークホルダーとは、本来価値を共に生み出す仲間です。
上も下もない。企業価値を一緒に創る存在。だから三層構造の本質はこうです。
・経営戦略=約束する
・コミュニケーション戦略=約束を共に果たす
・情報戦略=共創を循環させる
濱口:これは……広報ではなく、企業そのものの哲学ですね。
荒木:来週はこの続きをさらに深めます。「媒体とは何か」の本質をお伝えしたいと思います。
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