【ポッドキャスト #48】そもそも「戦略」って何だろう?(2)
情報はただ伝達や発信すればいいわけではありません。
情報は血流です。企業が永続するためには欠かせません。
ステークホルダーの信頼の総和が企業価値です。
つまり戦略の三層目に位置する情報戦略は、価値創造の現場なのです。
音声(番組)は以下より聴取できます。
・ポッドキャスト:#48
・Spotify:#48
以下、テキスト版です。ぜひご一読ください。
荒木:『広報オタ倶楽部』も1周年が近づいてきました。
今回のテーマは前回の続き──「戦略とは何か?」です。
企業は「考えが腹落ちして、初めて行動が定まる」。広報も同じです。
濱口:前回ご説明いただいた「戦略の三層構造」の話ですね
荒木:そう。戦略は三層構造でつながっている。
①経営戦略
②コミュニケーション戦略
③情報戦略
まずこれを押さえたい。
濱口:経営戦略=ステークホルダーとの約束、ですね。
荒木:そのとおり。
誰と、どんな価値を、どう創るかを決めるのが経営戦略。
そして、その約束を「共に果たす」のがコミュニケーション戦略。
さらに「共創したものを媒体に残し、循環させる」のが情報戦略です。
濱口:媒体に残すから、情報が蓄積し、感情がのり、価値が循環していく。
荒木:情報とは、人の意識・判断・行動に影響を与えるもの。
そして決定的なのは「感情」。
情報に感情がのるから、意味が生まれ、行動が変わる。
濱口:だから情報戦略とは「場をデザインすること」なんですね。
荒木:そう。蓄える場と流す場の両方をつくり、それが連動して価値を生む。
デジタル空間が整った今、それが現実に可能になった。
荒木:そして、これは「企業価値」に直結します。
小松製作所の坂根会長が言った有名な言葉があります。
企業価値とは、ステークホルダーとの「信頼の総和」である。
濱口:信頼は数値化できますか?
荒木:できます。NPS(推奨意向)などが指標の代表。
社員、顧客、パートナー……全ての関係性が価値になる。
濱口:つまり、情報戦略=価値創造の現場。
荒木:その通り。
企業を永続させる原動力は「情報という血流」が巡っているかどうか。
手段に振り回されず、まず
「われわれのステークホルダーは誰か?」
ここに立ち返ることが、全ての出発点です。
濱口:今回も深い……まさに広報哲学ラジオですね。
荒木:次回は、より「哲学寄り」の角度から、戦略の本質に迫ります。
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