企業人格 × SRCF 宣言

■はじめに

私たちはいま、企業と社会の関係が根底から問われる時代に立っています。
信頼の毀損、ステークホルダー離反、炎上、離職、衰退——
これらの現象は、単なる経営課題ではありません。

それらは 企業の人格(Corporate Personhood)そのものの表れ であり、
その未成熟さが引き起こす必然です。

21世紀の経営に最も欠けていたものは、
経営手法でもDXでもマーケティングでもなく、
企業は人格を持つべき存在であるという前提 でした。

私たちはその前提を、
ここに明確に取り戻します。

企業が人格を持つとは何か

企業とは、単なる経済装置ではありません。
そこには意思があり、価値観があり、感情があり、物語があります。
その全てを統合したものを、私は 企業人格 と呼びます。

企業人格とは、
社員・顧客・取引先(パートナー)・株主・地域社会・報道機関という
全てのステークホルダーとの関係の中で育まれる「生命体」です。

人格を育てるために必要なのは、
理念やスローガンではありません。

必要なのは 良心・関係・意味づけ(ナラティブ) の三つです。
この三つが統合された時、企業は初めて「人格としての一貫性」を獲得します。

SRCF:ステークホルダー関係資本フレームワーク

企業人格を育てる「土壌」となるのがSRCF(ステークホルダー関係資本フレームワーク)です。

SRCF は

  • 感情資本
  • 関係資本
  • 制度資本
  • 物語資本
  • 歴史資本
    という 五つの無形資本の総体 で成り立ちます。

その中心にあるのは 感情資本 です。

全ての企業価値は、
ステークホルダーが抱く「事実と感情」の集合体で決まります。
それは数字では測れないが、確かな「価値の因果」を生みます。

私たちはこの SRCFを、
企業の新しい基礎体力と位置付けます。

ニュースルームの使命:企業人格の外在化装置

企業人格は、ただ存在するだけでは価値を生みません。
それを「外に開く」プロセスが必要です。

その中核となるのが ニュースルーム(Newsroom) です。

ニュースルームは、企業が日々生み出す

  • 行動知(行動の事実)
  • 感情知(心の事実)
  • 理性知(意味づけ)

この三つの知を 感情資産として蓄積・循環させる装置 です。

ニュースルームに蓄積されるのは、単なる記事ではありません。
それは企業の「人格の証明」であり、
ステークホルダーの心と企業の心をつなぐ 生命のログ です。

ニュースルームを持たない企業は、
自らの人格を外在化できず、
関係資本の循環速度が上がらない。

これからの企業はニュースルームを持ち、
人格を開き、
関係資本を循環させる時代に入ります。

企業人格 × SRCF:二つの軸がつくる未来

私たちがここに宣言するのは、
「企業人格 × SRCF」という新しい経営思想です。

企業人格が 縦の軸(精神・価値観・良心)
SRCF が 横の軸(関係・感情・循環)

この二つが重なった地点に、
企業価値の未来があります。

そしてこの二つは、
ニュースルームを中核として
内外に螺旋状に広がっていきます。

  • 内なる循環:社員・顧客・取引先(パートナー)との関係深化
  • 外なる循環:社会・市場・未来ステークホルダーとの関係拡張

企業人格と SRCFが二重に循環したとき、
企業は 価値永続(Value Continuity) を実現します。

最後に:新しい経営の時代へ

この宣言は、私自身の20数年の実践、
そして無数の企業との対話から生まれたものです。

2026年、私たちは
「企業人格 × SRCF」という新しい経営思想を
日本から世界に向けて発信します。

企業は人格を持ち、
関係資本を循環させる存在である。

この前提に立つ企業だけが、
選ばれ、愛され、長く続き、
社会の安心と未来を支えることができる。

本日ここに、
その第一歩を宣言します。

2026年1月1日
株式会社AGENCY ONE 代表取締役 荒木 洋二

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