【ポッドキャスト #56】広報は「作って終わり」ではない──蓄積と流通の設計

広報が機能するための設計を解説。情報を「蓄える」ことと、「流す」ことの違いを整理しました。
noteやSNSは便利な手段ですが、それだけでは情報は流れて消えてしまいます。
だからこそ必要なのが、自社の中に記録を蓄積する「ニュースルーム」という拠点です。
音声(番組)は以下より聴取できます。
・ポッドキャスト:#56
・Spotify:#56
以下、テキスト版です。ぜひご一読ください。
◆広報の落とし穴
荒木
前回は「広報はどこから始めればいいのか」という話をしました。
今回はその続きで、
作った情報を、どう届け、どう循環させるかを掘り下げたいと思います。
濱口
現場で多いのが、
「社内報やポッドキャストを作ったけれど、誰も見てくれない」
という悩みです。
荒木
それはよく聞きますね。
実はそこに、広報がうまくいかなくなる典型的な落とし穴があります。
◆蓄えるだけでは、誰にも届かない
荒木
まず大前提として、
社員の声、判断の背景、感情を記録として残すことはとても重要です。
音声でも、文字でもいい。
でも、
蓄えるだけでは、誰にも届かない。
濱口
置いてあるだけでは、見に来てくれない。
荒木
そうなんです。
だから「蓄える場」と「流す場」を分けて考える必要があります。
◆noteやSNSは「流す場」である
濱口
noteやSNSはどう位置づければいいでしょうか。
荒木
noteやSNSは、基本的にフロー(流通)です。
相手のタイムラインを流れていく。
便利だけれど、
そこに置いたからといって、見てもらえるわけではない。
濱口
しかも、企業ではなく個人が前に出やすい。
荒木
そう。
個人のファンは増えても、
企業の理解や信頼に必ずしもつながらないケースもある。
◆ニュースルームという「格納庫」を持つ意味
荒木
だからこそ必要なのが、
自社の中に、情報を蓄積する場所です。
それがニュースルーム。
濱口
自分たちのコンテンツの拠点ですね。
荒木
そうです。
音声、テキスト、画像、判断の背景。
すべてを一貫した文脈で残す場所。
◆広報は「組み合わせ」と「循環」
荒木
大事なのは、
どれか一つのツールを頑張ることではありません。
ニュースルーム
+メルマガ
+SNS
+リアルな声かけ
この組み合わせと循環です。
濱口
発信した後の、ひと声が大事なんですね。
荒木
「見た?」
「今回のこれ、面白かったよ」
この一言があるかどうかで、届き方は全く変わります。
◆目的を見失うと、広報は苦しくなる
荒木
もう一つ大事なのは、
「何のために情報を残しているのか」。
売上高なのか、採用なのか、文化なのか。
濱口
目的が曖昧だと、続かなくなりますね。
荒木
そう。
だから広報は、一人に任せない。
経営者や管理職も関わる広報委員会型が理想です。
◆広報は、企業の記憶装置である
荒木
失敗も含めて、
その時どう考え、どう判断したかを残す。
それは、
企業の文化と人格を形づくる記録になります。
消してしまうのは、あまりにももったいない。
濱口
積み重ねが、あとから効いてくる。
荒木
そうです。
広報は、未来のための仕事です。

