【ポッドキャスト #57】社内報は「作る」から「つながる」へ──インターナルコミュニケーションの設計

社内報が読まれない会社に、足りないものは何なのか。紙かWEBかで悩む前に、考えるべきことがあります。
大事なのは「どの媒体を使うか」ではなく、どう組み合わせて“つながり”を設計するか。
ヤマハ発動機の取り組みを実例として紹介します。
ヤマハ発動機の取り組みが分かる記事

音声(番組)は以下より聴取できます。
・ポッドキャスト:#57
・Spotify:#57

以下、テキスト版です。ぜひご一読ください。

荒木
前回から続いている「声の社内報」の話ですが、
今日は社内報そのもののあり方について、
具体的な事例を交えて考えていきたいと思います。

濱口
最近は紙ではなく、ウェブや音声などさまざまな形式が増えていますよね。
ただ、やっぱり「見てもらえない」という悩みが多いです。

◆読まれない社内報を変えた、ヤマハ発動機の事例

荒木
2018年の日経産業新聞に掲載された、ヤマハ発動機の事例があります。
社内報を全面刷新し、若手の閲覧率を大きく高めた取り組みです。

紙・ウェブ・デジタルサイネージを組み合わせ、
単なる社内報ではなく「インターナルコミュニケーション」として再設計しました。

濱口
一つの施策ではなく、組み合わせだったんですね。

荒木
そうです。
社内報は四割程度しか読まれないと言われますが、
この事例では閲覧率が八割まで向上しました。

◆社内報は「伝達」ではなく「つながり」

荒木
当時の責任者は、社内報を
「会社から社員への情報伝達」ではなく、
社員同士がつながるコミュニケーション活動として再定義しました。

紙のサイズ変更、若手インタビューの増加、
社長との対談など、内容も刷新しています。

濱口
視点そのものを変えたんですね。

◆デジタルサイネージは「導線」として使う

荒木
特に面白いのがデジタルサイネージです。
3〜5分の動画を流し、社内報へ誘導する導線として活用しました。

最初は反対もあったそうですが、
次第に社員の方から「出演したい」という声が増え、
社内の関心が高まっていきました。

◆社内報は組み合わせで機能する

荒木
重要なのは、
紙かウェブかではなく「組み合わせ」です。
社員が普段どの情報接触手段を使っているか。
そこに合わせて表現手段と伝達手段を設計すること。

濱口
作るだけではなく、届く設計ですね。

◆社内報が変えるのは「社員・経営・体制」

荒木
この取り組みでは、
社員の意識、経営者の理解、制作体制の三つが変わりました。

最初は3人だった体制が、
最終的には20人規模・予算5倍にまで拡大しています。

濱口
広報の価値が理解されたんですね。

◆ゴールは「ブランドを体現する社員」

荒木
インターナルコミュニケーションの設計は、


・WHY :エンゲージメントを高める

・WHAT:ブランドらしさを共有する

・HOW :働く姿を伝えるコンテンツ

そして最終ゴールは
「全社員がブランドを体現すること」。

強いつながりではなく、
まずは「緩くつながる」ことから始めた点も重要です。

◆情報戦略の4要素

荒木
情報戦略はシンプルに整理できます。

・目的
・対象
・内容
・手段(表現手段/伝達手段)

社員の日常に寄り添いながら、
最適な組み合わせを考えることが大切ですね。

荒木
社内報は作ることが目的ではありません。
つながりを生む設計があってこそ意味があります。

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