Weekly Digest 中小企業は自らの魅力をどう伝えるのか

12月13日、中小企業庁が「第170回 中小企業景況調査」(2022年10ー12月期)を報道発表しました。同庁は、二つのトピックスを挙げました。一つは原材料・商品仕入単価DI(前年同期比)、もう一つは従業員数過不足DI(今期の水準)。DIとは、Diffusion Indexの略。前者でいえば、同単価が上がったと回答した数字(%)から下がったと回答した数字を引いた数字のことです。後者では、回答が「足りている」から「不足している」を引いた数字となります。
前者は74.8(前期差4.2ポイント増)、後者はマイナス22.6(前期差2.4ポイント減)でした。中小企業にとっては厳しい状況が続いています。

いかに生産性を高め、利益を上げるのか。社員の定着率を高めつつ、望む人材を効率よく獲得できるのか。中小企業経営者たちの手腕が問われます。特に組織としての情報発信力、コミュニケーション力がますます必要とされています。
自社の魅力とは一体何なのか。立ち止まって、冷静に自社を見つめてみるべきです。会社の魅力を決定づけるのは、会社に関わる人たちです。企業広報戦略研究所(電通PRコンサルティング)が今年の10月31日に発表した「第7回 魅力度ブランディング調査」の結果からも明らかです。人的魅力こそが企業の魅力の中心です。経営者、技術者、社員にとどまらず、自社を取り巻く利害関係者たちにも光を当ててみるのです。今まで気付かず、見逃し、見落としていた自社の魅力を必ず発見できます。その魅力の一つ一つを丁寧に見える化し、蓄積します。そして、まず利害関係者たちと共有しつつ、外に向けても発信していくのです。

現在、大手企業がコーポレートサイトに併設する形でニュースルームを続々と開設しています。ニュースルームはその会社の魅力が蓄積された、魅力の宝庫であり、価値の源泉ともいえます。中小企業は今まで情報発信に対して十分取り組んできませんでした。今からでも遅くありません、自社の魅力を徹底して洗い出し、そして、見える化した魅力をニュースルームに蓄積するのです。魅力に触れ、共感する輪が広がることが現在の苦境を乗り越える原動力になるに違いありません。

先週、NewsRoomに投稿した記事をまとめてご紹介します。


12月5日(月) 荒木洋二のPRコラム
【過去の人気コラム】#81 ステークホルダー考(2)


12月8日(木) 聴くPRコラム
【過去の人気コラム】聴くコラム ステークホルダー考(2)


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