[年頭ごあいさつ]「広報人倶楽部」によりブランディング普及の礎と成さん

新年、あけましておめでとうございます。AGENCY ONE代表取締役の荒木洋二です。

2022年は日本にとって「激動・激震」の年でした。重大な出来事として三つ挙げることができます。2月、ロシアによるウクライナ侵攻。7月8日、安倍晋三元首相暗殺。ほぼ同時に到来した新型コロナウイルス第7波(あるいはワクチン接種の推進)。
そして、これら出来事により、マスコミによる「偏向報道」に今まで以上に拍車がかかりました。マスコミが発信する情報はもはやジャーナリズムではなく、プロパガンダへと成り下がりました。ネットで飛び交う意見・主張を意図的にフェイクニュース、陰謀論として片付けるなど、自らの使命を進んで放棄したかのような振る舞いに少々あきれかえっています。

2023年、日本の企業社会においては、どんな現象が起きるでしょうか。経営者、ビジネスパーソンは情報(コンテンツ)とどう向き合うべきでしょうか。どんな動機や姿勢で情報を扱えばいいのでしょうか。

「ブランディング」が本来の価値を認識してもらえるのか、今まさに分岐点に立たされています。
企業にとって情報は経営の生命線です。企業は社会・世界からどんな情報を入手し、その情報をどう読み解き、どう組み立て、どんな情報(コンテンツ)をステークホルダー(利害関係者)と共有するのか。アピール、プロモーション、PR、マーケティング、ブランディングは全て情報を扱いますが、残念ながら現在の企業社会では明確な区別がないまま、不用意かつ軽率に使われています。

マスコミ同様に企業社会でもプロパガンダが広がっています。マーケティングとブランディングはほぼ同意語のように使われています。そして、マーケティングもブランディングもプロパガンダに成り下がりつつあります。プロパガンダとは端的にいえば、情報操作です。相手を自らが望む方向に行動させるため、自己に都合のいい情報だけを意図的に発信することです。動機は利己的かつ独善的であり、上から相手を支配(コントロール)しようとします。このような姿勢で発信すると、当初はコントールできたと錯覚しますが、いずれ化けの皮が剥がれ、相手(ステークホルダー)から選ばれなくなります。一連の営みは「選ばれないブランディング」といえます。

PRとはパブリック・リレーションズの略です。パブリック・リレーションズとは(情報を介して)ステークホルダー(利害関係者)と良好な関係を構築するという概念です。信頼関係を築けるかどうかが重要です。動機は利他的かつ互恵的であり、両者の関係はあくまでも対等です。どんな状況に置かれても揺るがないし、崩れないし、切れない関係構築を目指すものです。いかにして強くて太い、濃い信頼関係を築けるかが常に問われます。このようなパブリック・リレーションズの営みは「選ばれるブランディング」といえます。どんな動機や姿勢で臨むべきなのか。年初にあって、静かに自問自答してみてはいかがでしょうか。

ブランドの語源は「家畜の焼き印」です。すなわち企業ブランディングとは、自社の魅力を相手(利害関係者)の心に「焼き印」することです。「焼き印」するのですから、「情熱」がないと刻印できません。情熱は、自らを認識すること、つまり「わが社とは何者なのか」を認識することなくして、生まれません。企業理念・ビジョンは自己認識の表明ともいえます。その上で、情熱を源泉とした自社の魅力の数々を見える化して、伝える続けることで周りから共感を得られます。相手の心にくっきりと「焼き印」されます。共感が広がり蓄積される、その総和こそが企業ブランド、企業価値といえるでしょう。

当社は2021年10月、広報部立ち上げ支援サービス「広報人倶楽部」を、2022年3月にはブランディング・コミュニティ「情熱先生」を立ち上げました。経営者たちと正面から向き合い、伴走しながら試行錯誤を繰り返し、ようやく同年11月下旬に新たなプラン体系で「広報人倶楽部」を再始動させました。
「広報人倶楽部」をなぜ始めたのか。それは企業社会全体にブランディング普及の礎を成すためです。そんな意気込み・思いをもって2023年を歩み始めます。2月下旬には人生初めての出版が控えています。テーマは「ブランディング」です。

皆さま、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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