Weekly Essay 「ビジネスと人権」と人権ビジネス(1)

リスクマネジメントの専門人材を育成するNPO法人の理事長に就任してから、今年で10年を超えました。団体の正式名称は、特定非営利活動法人日本リスクマネジャーアンドコンサルタント協会、長いので略称で「RMCA」といいます。
今年12月に30周年という節目を迎えます。RMCAについては当エッセイでも何度か言及してきました。私がRMCAの事務局長に就任したのが2004年4月ですから、関わってから20年目になります。人材育成だけでなく、リスクマネジメントに関する情報をさまざまな角度から広く社会全体に発信する、という役割も担っています。

RMCAの現在の副理事長は石川慶子さんです。実は私がRMCAの事務局長に就任できたのは、当時すでに会員だった石川さんの紹介があったからです。それ以前の1997年4月、石川さんが役員だったPR会社で働くようになったのが、私のそもそもの広報PR人生の始まりでした。広報、特にパブリシティの基礎は石川さんから教わりました。四半世紀を超えた付き合いです。
そんな経緯もあり、最近、RMCA主催セミナーの終了後に開く懇親会などで、私の知り合いを紹介すると「荒木さんの姉(のような存在)です」の一声から会話が始まります。なるほど、そういう自己紹介もありだな、と妙に感心しています。

石川さんは公式動画チャンネル「RMCAチャンネル」でも積極的に情報を発信しています。最近、視聴数が上がっているのが、ジャニーズ事務所の創業者・故・ジャニー喜多川氏による性加害問題を取り上げた回です。以下、動画にリンクしてありますので、ぜひご視聴ください。

リスクマネジメント・ジャーナル 第156回「これダメでしょ!ジャニーズ事務所”公式見解”徹底分析!」

石川さんはポータルサイト「Yahoo!」でオーサーも務めています。5月26日(金)に公開したコラムでもジャニーズの性加害問題を扱っています。日本政府が2020年10月に発表した「ビジネスと人権」に関する行動計画に触れながら、鋭くこの問題に切り込んでいます。

RMCAは、5月30日(火)夜、東京・銀座一丁目の会場でLGBTをテーマにしたセミナーを開催しました。リアルとオンラインのハイブリッド開催で30人弱の人たちが参加しました。

現在、国会では「LGBT理解増進法(LGBT法案)」が混迷を極めつつあります。LGBTを語る上でも「人権」という視点は欠かせません。

そんなこともあり、最近、今まで真剣に向き合ってこなかった「ビジネスと人権」について、そして似て非なる「人権ビジネス」について考えを巡らしています。次回はセミナー内容にも触れつつ、引き続きこの問題について考えてみたいと思います。


5月22日(月) 荒木洋二のPRコラム
【過去の人気コラム】#66 企業の魅力を考察する(6)


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