【アンケート調査結果】オンライン・ワークショップ「広報媒体作成の作り方と使い方」の参加者アンケート

◆本アンケート調査について

本アンケート調査は、当社主催のオンライン・ワークショップ「広報媒体作成の作り方と使い方」(毎週水曜日開催)の参加者に対して実施した。今回の結果は、2021年1月1日〜2月末日までの調査結果である。

◆総評

2021年1月中旬より、毎週水曜日の13〜17時まで無償でのオンライン・ワークショップを開催した。参加者のほとんどが広報担当者だが未経験あるいは経験が浅い人だった。
驚いたことがある。肌感覚なのだが、10年前と比べて広報担当者を(専任あるいは兼任で)置く、中小・中堅企業やスタートアップが増えているのではないか。SNSの普及により、ネット上での情報発信が個人でも法人でも一般化したことも一つの要因だろう。広告費などはほとんどかけずに、セミナー・勉強会専用の無料告知サイトに掲載しただけだったが、予想より多く集まり、20人近い参加者の回もあった。

日本の企業社会に「広報文化」を広げたい、普及させたい。あるいは広報を当たり前にしたい。当社は創業以来、そのことをビジョンに掲げて、事業を営んできた。ビジョンを実現するためには広報人材の育成が欠かせない。そう結論に達してから、無償での開催を決めた。当社代表・荒木の24年間、当社創業以来、中小企業の経営者と向き合いながら築き上げてきた約15年間のノウハウ全てを無償で公開することを決めた。

アンケート結果をみて、概ね満足していることが分かった。毎回、ワークショップ参加後に当社のeラーニング講座(無償/全245講座・約33時間)に申し込む参加者もいた。無償で開催したことに重要な意味があったと確信できた。今後のアンケート結果も参照しながら、改善すべき点は改善しつつ当ワークショップを変わらず続けていきたい。

◆ワークショップの内容について

当ワークショップは、プレスリリース編(所要時間4時間/隔週)、ニュースレター編(同4時間/月1回)、ファクトブック編(同3時間/月1回)の三つで構成した。講義時間は50分、その後5分の質疑応答と5分の休憩をはさみ、行った。受講環境でマイクをオンにできない参加者もいたので、参加者の意見を取り入れ、チャットでの質問も受け付けた。

ワークショップで使用したレジュメはアンケートページからダウンロードできる。プレスリリース編は145ページ、ニュースレター編は224ページ、ファクトブック編は136ページ。

広報PRに関する書籍を読む機会はあるが、それだけではなかなか実践では生かせない。現状、日本では大学でも社会でも、広報PRをしっかり勉強する機会はあまりにも少ない。参加者の所属企業のほとんどが、配信事業者のサービスを利用して、熱心にプレスリリースを配信している。しかし、記者たちと直接コミュニケーションする機会には恵まれていない課題がうかがえた。プレスリリースを記者クラブに投函している企業もほぼ皆無だった。当ワークショップのプレスリリース編では、記者クラブに関してもかなり詳しく説明した。

内容については満足度も高く(「参加して良かった」95.5%)、自由回答では「無償でここまで教えてくれるとはありがたい」などの感想も少なくなかった。

◆ファシリテーターについて

ワークショップ全体として、講師兼ファシリテーターからの一方通行とならないよう意識したプログラムを構成した。特にプレスリリース編では、演習として課題を事前に提示し、できる範囲で取り組むよう求めた(注:課題提出は参加条件でなない/ワークショップでより多くのことを吸収できる準備との位置付け)。

課題内容は、ある会社の資料を送り、プレスリリースの基本要素である「5W3HYTT」に整理する。当日朝、実際のプレスリリースを送り、講義中にプレスリリース、そのリリースがもとになった記事3本を参加者で輪読した。プレスリリースを記者クラブに投函することでどう報道されたのかを確認し合った。

ニュースレター編では、文章の書き方の重要性を説いた。文章の専門家に敬意を表し、その知見を受け継げるように『記者ハンドブック』(共同通信社刊)を基準とすることを推奨した。実際に「校正テスト」をワークショップ中に参加者に取り組んでもらい、校正の一端に触れる場を設けた。

ファシリテーターに関するアンケート結果は「分かりやすかった」が95.5%と、概ね満足だったようだ。

◆開催時間について

プレスリリース編は2020年秋から始めた。当初は1回1時間全5回、5週間をかけていた。毎週課題も出していた。途中での離脱者が多かったこともあり、現在の形式に変更した。4時間は明らかに長丁場だ。事実、「長すぎた」「どちらかといえば、長すぎた」を合わせると31.8%に上った。ただ、途中退室を認め何度参加しても構わないことを伝えたこともあってか、「適切だった」が6割を超えた。

今後のアンケート結果を注視しながら、開催時間については最適な所要時間を探っていきたい。

◆参加された皆さんへ

ワークショップ 参加者各位

 このたびは平日の勤務時間中にもかかわらず、4時間にわたるワークショップにご参加いただきまして、誠にありがとうございました。

 広報担当者として、現場を一人で担っている人も多くいらっしゃいました。しかも経験が浅かったり未経験だったりする中で、試行錯誤しながら日々広報活動に従事されていました。

 ワークショップ では、広報担当者の必携書として『記者ハンドブック』や『広報マスコミハンドブック PR手帳』(アーク出版刊)、『メディアガイド』(宣伝会議刊)の3冊を紹介いたしました。プレスリリース編では記者クラブについても触れ、申し込み方法についても解説いたしました。私自身が24年間の広報経験で培ったものを惜しみなく伝えたいと思い、講義いたしました。

 今回学んだことが現場で生かされ、皆さんが今まで以上に広報に意欲的に取り組むきっかけとなったのであれば、望外の喜びです。これからも現場で悩んだり迷ったりしたことがあれば、気軽にご相談ください。

 皆さんのますますのご活躍を祈念しています。このたびは誠にありがとうございました。

                                講師・ファシリテーター   荒木 洋二  

   
 

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