【ポッドキャスト #45】第三者視点とは? 自社の魅力を発掘する方法

自分たちでは、自社の魅力が見えない。全てが「当たり前」になってしまうから。
どんな会社にも陥りやすいこと。だからこそ第三者の視点を養うことが欠かせません。
PR会社や広報PR専門家の役割はそこにあります。しかし、もっと身近に意外な盲点が!?

音声(番組)は以下より聴取できます。
・ポッドキャスト:#45
・Spotify:#45

以下のとおり、要約しました。

概要

◆荒木が代表を務める会社が、外部委託で「広報部機能を丸ごと担う」モデルから、「社内自走を支援・伴走する」モデルへと方針転換した背景と現状を共有。
・2019年頃に転換。ビジョン「本来の広報を当たり前に」「広報文化を社会に広げる」に立ち返った結果、スケールと持続性の観点から自走支援を重視。
・外部が全実務を担うと、社内にノウハウが蓄積されず、契約終了時に機能断絶が起こる課題を確認。

◆「第三者視点」を社内に根づかせる重要性を強調。
・真の第三者視点は遠方の専門家だけでなく、身近な社員・顧客・パートナーの声からも得られる。
・インタビューと観察を通じて、当事者が見落としがちな価値や共感の言葉を抽出することが起点。

自走支援と第三者視点

◆自走支援の進め方
・戦略策定を共同で実施し、現場には講座+OJTでスキル移転。
・経営機能として広報を組み込み、数年で社内完結を目指すロードマップ。

◆組織への示唆
・社内は「当たり前化」により自社の魅力が見えにくくなる傾向。
・惰性化、独り善がりの判断で、価値あるコンテンツが埋もれるリスク。
 例:上司の「PV稼げない」判断を覆し、実際は高い読了・反応を獲得した事例。

◆第三者視点の源泉
・社員の声
 入社動機、働く中での気付き、誇りの由来を可視化。

・顧客の声
 なぜ選ぶのか、関係の変遷、ロイヤル化のプロセスを追体験可能な言葉で抽出。

・パートナーの声
 共創の実態、信頼の根拠、再現性のある評価ポイントを収集。

◆外部専門家の役割
・フラットな視点で魅力を発見し、発信設計を整える「結節点」機能。
・社内でその感性を持つ人材が育つまで伴走し、将来的に役員クラスへ育成。

事例・学び

◆キリンの例示(『オウンドメディア進化論』)
組織内部に強い情熱や文化があっても、外への発信発想が欠落していることがある。外部出身者が社員インタビューを起点に価値を可視化・発信し、コーポレート・コミュニケーションに展開。

◆教訓
・「近い第三者」を起点に「みる・きく・考える・伝える」の循環を回すことが最短ルート。
・発信テーマは社外トレンド起点ではなく、当事者のリアルな言葉起点が共感を最大化。
・組織比喩:企業は生命体。定期的に「体の声(社員・顧客の声)」を聴き取らないと、経営という長距離走に耐えられない。

リスク・課題

・自社理解の不足によりターゲット(誰に伝えるか)が曖昧。
・外部委託依存によるナレッジ不在と機能断絶。
・社内意思決定の「表層指標(PV等)」バイアスで価値ある発信が抑制される。

当社の役割

・自走支援モデルを継続し、社内に第三者視点を持つ広報人材を育成する。
・身近なステークホルダー(社員・顧客・パートナー)からの体系的インタビューを起点に、発信テーマを設計する。

以上

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