【ポッドキャスト #85】リファラル採用は、仕組みより信頼から始まる

採用が難しいと言われる中、1人、2人を採るために、いきなり求人広告へ向かう必要はあるのでしょうか。社員や顧客、取引先など、すでにつながる人との信頼から生まれる紹介を通じて、採用と日頃の関係づくりのつながりを考えます。
音声(番組)は以下より聴取できます。
・ポッドキャスト:#85
・Spotify:#85
以下、テキスト版です。ぜひご一読ください。
◆採用は、遠くの誰かを探す前に
濱口
最近、家族経営や10人以下の会社で、代替わりした二代目、三代目の経営者が「事業を広げたいけれど、人が採れない」と悩んでいる話をよく聞きます。
もちろん何十人も採用するなら難しさは分かります。
でも、1人、2人を採りたいという話なら、いきなり求人広告を出す前に、周りの人に聞いてみる方法もあるんじゃないかと思うんです。
荒木
確かに、会社の規模に関係なく、採用となると最初に求人広告を思い浮かべる会社は多いですね。
会ったこともない、遠くの誰かに向かって募集を始める。
でも、その前に社員や取引先、顧客、パートナーなど、すでに関係のある人たちがいます。
まず、その人たちに聞いてみるという選択肢はありますよね。
◆一人、二人なら、まず近くを見る
濱口
そうなんです。
「誰かいい人いませんか」と周りに聞くだけでも、見つかる可能性がありますよね。
荒木
私自身、それでうまくいった経験があります。
ある経営者から、新しいプロジェクトを担う人を探していると相談されました。
ちょうど私の周りに、転職を考えている人たちがいたので、3人ほど紹介しました。結果的に全員採用されました。
大きな求人広告を出したわけではありません。
日頃のつながりの中で、「この人なら合うかもしれない」と結び付いたんです。
濱口
私も、地元の会社から人を探していると聞いて、知人を紹介したことがあります。
紹介には採用費用がほとんどかからないという利点もありますし、間に紹介者がいることで、全く知らない人を採用する場合とは違う安心感もありますよね。
◆紹介を生むのは、信頼の土台
荒木
ただし、紹介なら何でもうまくいくわけではありません。
誰かを紹介するということは、紹介する側も自分の信用を使っています。
自分が信頼している会社だから、大切な知人を紹介できる。
そして、自分が信頼している人だから、その会社に紹介できる。
つまり紹介は、双方への信頼があって初めて成り立ちます。
濱口
逆に言うと、紹介が全く生まれない場合、「この会社を知人に勧めたいと思われているだろうか」と考えることも必要なのかもしれませんね。
荒木
そういう見方はできます。
社員でも、顧客でも、取引先でも、「この会社はいい会社だ」と思っていれば、「そういえば近くにいい人がいる」と自然に話が出る可能性があります。
その土台は、採用を始めてから急につくれるものではありません。
◆「リファラル採用」を導入すればいいのか
荒木
最近は「リファラル採用」という言葉も定着してきました。
紹介採用そのものは昔からあります。
注意したいのは、言葉が流行ることで、仕組みだけを導入しようとしてしまうことです。
社員同士の関係が良くない会社で、「これからリファラル採用を始めるから、毎月1人紹介して」と強制しても、うまくいかないでしょう。
濱口
むしろ、会社への不満が増えそうですね。
荒木
そうなんです。
本来は、「知り合いに聞いてみよう」「社長自身が探してみよう」という、とても素朴なことです。
制度を先につくるのではなく、紹介したくなる会社であることが先なんだと思います。
◆目の前の人を大切にすることが、採用につながる
濱口
パート社員の口コミだけで人が集まっている会社もあります。
ママ友同士で「ここは働きやすいよ」と広がって、自然に人が集まってくる。
嫌な会社だったら、反対の評判もすぐに広がりますよね。
荒木
そこに本質があります。
仕事ですから、不満や厳しいことが全くない会社はありません。
それでも「なんだかんだ言って、この会社はいいよね」と思ってもらえる。
その関係があれば、「リファラル採用」と名前を付けなくても、人のつながりが広がっていきます。
私たちの会社で一緒に働くスタッフも、知人からの紹介で出会った人がいます。
結局、大切なのは日頃からどのような関係を築いているかです。
近くにいい人がいなければ、もちろん求人広告や別の方法を使えばいい。
ただ、遠くの誰かを探す前に、まず目の前の人を見る。
採用の問題も、日頃の信頼関係から考え直してみる価値があるのだと思います。

