初級講座「Ⅲ.実務能力編」 プレスリリースの作り方 プレスリリースを構成する各項目の作り方④

こんにちは、荒木洋二です。

今回は「プレスリリースの作り方」第11回、「プレスリリースを構成する各項目の作り方」の4回目です。

プレスリリースには基本の形があります。「プレスリリースの作り方」第3回(プレスリリースの基本構成)で説明したとおり、プレスリリースは12項目から構成されています(次のスライド参照)。

毎回繰り返し確認しておきましょう。プレスリリースに欠かせない基本要素は「5W3H・YTT」です。文章の基本構造は結論を先に述べる、「結起承転」の流れです。

本文を書くにあたって、常に留意しなければならないことがあります。それは事実(ファクト)のみを扱い、分かりやすく説明することです。事実以外のことを書いてはなりません。

■本文

本文は、次のスライドに記載されている四つの部分によって成り立っています。

4.目標・将来(転)

今回は本文最後の「目標・将来」などについて解説します。

本文の最後には必ず目標数字を入れます。3Hの残りの二つ、「How many」(数)と「How much」(量)の部分です。企業広報の場合、目標数字は絶対に欠かせません。

プレスリリースのテーマは、全て経営戦略、事業計画に基づいて決定します。事業計画に基づいているので、もちろん目標を定めています。その目標数字を記載すればいいのです。媒体の特性、編集方針によって目標数字を必要としない媒体もあります。女性誌や情報誌などは、商品を紹介する記事で目標は記載しません。読者にとって関心がありません。ただ、経済・産業に関する媒体であれば、目標数字を記事にするでしょう。基本としてプレスリリースは、同じテーマで2種類作成しません。媒体によって送るプレスリリースを変えたりはしません。必要とする媒体があるのですから、プレスリリースには目標数字が必要なのです。

まず、 「How many」とは「どのくらい、いくつ」ということですから、つまり販売数や契約数のことです。例えば、 BtoB 企業であれば、販売・契約の新規獲得の目標数のことを指します。何社獲得を目指すのか、ということです。
次に「How much」とは「どの程度、いくら」ということですから、売上高のことです。どの程度の売上高を目指すのか、ということです。

このようにプレスリリースでは数量を必ず示します。数量の両方、あるいは最低でもいずれか一方の目標を記載します。
例えば、1年後に100社、3年後に500社獲得、あるいは1年後に売上高5億円、3年後に10億円、という具合に二つの時間軸で示すことが望ましいです。企業の姿勢、意気込みなどを示すことにもつながります。

そして、目標とともに将来の展望を短く示します。例えば、1年後の計画、予定です。今回は高機能なプロ仕様の製品を発売するとします。1年後は機能を絞った一般向け製品を発売する計画があるのであれば、そのことに一言振れるのです。
そうすることで、次の展開への報道関係者たちの期待感を醸成することができます。

最後、「YTT」について解説します。
ここまでリード文、本文の書き方を通して基本校正要素を示しながら、一つ一つ解説してきました。実は本文全体を通して「YTT」が盛り込まれているのです。

YはYesterday、つまり過去のことです。過程や経緯のことです。
TはToday、つまり現在のことです。現在の実績や市場の現状、動向のことです。
もう一つのTはTomorrow 、つまり未来のことです。目標や計画のことです。

このように、最終的にプレスリリースの本文の中に過去、現在、未来という要素が含まれています。もれなく記載されています。文脈がしっかりとしていることが大切です。
本文の解説は以上です。

最後に、プレスリリースのフッター部分が入ります。フッター部分は共通しています。「ひな形を作る」の講座で説明した通りです。次のスライドで確認してください。

今回は、四つで構成される本文のうちの最後「4.目標・将来」について解説しました。

次回は中見出しの書き方を解説します。

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