初級講座「Ⅱ.組織能力編」 仕組みをつくる ~はじめに~
こんにちは、荒木洋二です。
初級講座「Ⅱ.組織能力編」は「みる・きく」と「仕組みをつくる」の二つの講座で構成しています。
前回までで3回にわたり「みる・きく」の講座を解説し、全て終えました。今回から「仕組みをつくる」について3回にわたり、解説を進めます。
次のスライドを改めてご覧ください。
前回までの「みる・きく」の講座において、一体組織として何をすべきか、という話をしました。事実を洗い出して棚卸しをする。その事実情報をしっかり分類し、さまざまな部署と連携しながら、利害関係者としっかりと向き合っていくことがどれほど大切なのか。利害関係者の置かれた状態と状況を、組織が一丸となってしっかり把握していきましょう、という話でした。
今回から、そのための仕組みをどうつくるのかを解説します。やるべきことが分かったので、つまり明確になったので、そのためにどうすべきか、何をすればいいのか、ということです。
少々分かりづらいかもしれませんが、次のスライドをご覧ください。
一番下の囲みから順に説明していきます。まず、企業・組織には最も根本的な部分として理念・価値観・ビジョンがあります。企業・組織に属する者たちは、その基盤の上にそもそも企業・組織とは何だろう、そもそも広報PRとは何だろうという理論や基礎知識を理解する必要があります。その共通理解のもとに経営戦略や事業計画を立てます。
企業・組織は、利害関係者と共に価値を生み出しています。ですから利害関係者とのコミュニケーションが欠かせません。コミュニケーションとは、「みる・きく・考える・伝える」という四つの要素で成り立っていることは、今までの講座で述べたとおりです。経営戦略・事業計画を立案することは「考える」に当たります。この経営戦略や事業計画をもとにさまざまな事業活動を行います。
ですから、繰り返しになりますが、利害関係者と向き合い、その状態と状況を理解することが重要です。組織自身の能力として、「みる・きく」能力が必要だということです。しっかりと向き合い、理解・把握したうえで、「伝える」を担う広報活動を実践します。「伝える」ための実務能力を備えなければなりません。どうやって価値を伝えるのか、全ての利害関係者たちに対してどう伝えるのか、ということです。
先のスライドと同様の図を人にフォーカスしてみると、次のスライドのようになります。
理念・ビジョン・価値観の共有、「そもそも論」に関する共通理解は、経営者、経営幹部、広報担当者だけでなく、社員全員にまで浸透することが理想です。
そして、経営幹部に当たる人たち経営戦略や事業計画を立て、広報担当者はその戦略や計画をもとに広報戦略を立てます。
ここで重要なこととして、組織としての「みる・きく」能力です。それぞれの利害関係者の窓口となる各部署を巻き込んで対応するしかありません。広報担当者だけではどうにもなりません。そして、「伝える」は広報に関する部署、広報担当者が担います。
これら一連の「みる・きく・考える・伝える」という行いを円滑に進められる、一つの仕組みをつくらないと組織としての力が発揮できません。
では、具体的にはどういう仕組みをつくるのか、ということが次回からの講座の内容です。講座は次のスライドに記載の三つの項目に分かれています。
次回から、一つ一つ解説します。次回は「1、連携を図る」です。