Weekly Essay 国内自動車メーカーのニュースルーム

先週の当エッセイでは、2週連続でトヨタ自動車の広報についての私見を述べました。エッセイを書きながら、トヨタ以外の国内自動車メーカーはどんな広報をしているのか、改めて確認してみたい衝動に駆られました。

今や最先端の広報、広報のDX(デジタルトランスフォーメーション)化の中心はニュースルームです。以前からトヨタに追随して各社がニュースルームを開設したことは確認していました。3年前、各社ニュースルームのトップページは、(当時の)トヨタとレイアウトなどはほぼそのまま踏襲していました。

改めて各社の現状を確認したところ、「ニュースルーム」の名称で展開していたのは日産自動車ホンダ(本田技研工業)マツダの3社でした。3年前は、(記憶はあいまいですが)マツダは開設していませんでした。トヨタがニュースルームの名称やそのディレクトリーに「newsroom」を使用するまで、大企業は自社の企業サイトでどんな広報をしていたのか。主に報道関係者向けに自社の新たな取り組みを発表する資料、つまりプレスリリースやニュースリリースの名称でページ(コーナー)を設け、文章中心の情報発信でした。トヨタを含む4社以外は、現時点でもニュースリリースの名称のまま発信を続けています。4社のニュースルームをご覧いただけると分かるように、ディレクトリーは「newsroom」とつづられています。コンテンツは文章だけでなく、大量の画像や動画をふんだんに盛り込んでいます。いわゆるリッチコンテンツ化しています。

私がニュースルームの機能として注目したのが、メールアラート機能です。新しい記事がニュースルームに上がるたびにプッシュ形式で、登録したメールアドレスに記事が配信されます。トヨタは1日に2〜4通配信しているので圧巻としか言いようがありません。トヨタ以外の3社でメールアラート機能を搭載していたのは、日産とマツダでした。この2社も先週登録してみました。日産は平日ほぼ毎日、2月27日は4通、マツダは配信のない日もあり2日に1通といったところでした。

今回を機に、まず自動車メーカーの各社ニュースルームをもう少し踏み込んで研究してみたいと思います。自動車メーカー以外が広報のDX化にどう取り組むのかも注視してみます。


2月20日(月) 荒木洋二のPRコラム
【過去の人気コラム】#15 企業が発信すべき2種類の情報


前の記事へ 次の記事へ