Weekly Essay 記者会見の「舞台裏」を明かす

先週の当エッセイでは、2月13日に開催された「トヨタ自動車 記者会見」で感じたことを書きました。2週連続でトヨタ自動車の広報について取り上げます。

トヨタ広報の迅速かつ丁寧な情報発信には驚くばかりです。もちろん広報部の人員体制が充実しているからこそできることだということは分かっています。どれくらい迅速かというと、15時から約90分にわたった記者会見の生中継の模様を自社のニュースルームに公開したのは、同日の20時15分でした。生中継の内容をノーカットで動画で上げただけでなく、おそらく参加した報道陣に配布した新体制の資料を掲載、さらに経営陣のメッセージは全てテキストで掲載されていました(役員人事および幹部職人事について)。同じタイミングで、トヨタイムズには「新時代のテーマは『継承と進化』佐藤次期社長が会見」という見出しで佐藤次期社長の言葉を速報しました。テキストだけでなく、プレゼンテーション資料まで掲載されています。動画とテキスト、図解を掲載、ニュースルームとトヨタイムズでの発信、しかも内容も変えてという具合に丁寧に発信しています。

その時点では、さすがに報道関係者との質疑応答の内容まではテキストで掲載しないだろうと思っていました。動画もあるわけですから。しかし、会見3日後の2月16日、トヨタイムズに「『みんなで考え、みんなで動く』目指すはチーム経営」との見出しで(全てではありませんが)質疑応答の内容をテキストで掲載したのです。ここまで「舞台裏」を明かすのか、と感嘆せずにはいられませんでした。ページの最後には、一度掲載済みの会見の全動画も再掲する徹底ぶりでした。

みなさん、ぜひ一度トヨタのニュースルームトヨタイムズをご覧になってみてはいかがでしょうか。学びと発見が多いと思います、


2月13日(月) 荒木洋二のPRコラム
#14 「経営の基礎体力」とは?


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