Backstage #8 「豆腐のダイバーシティ」を目指すアサヒコ 〜人気商品「豆腐バー」開発秘話
株式会社アサヒコ(東京都・新宿区)という会社を知っていますか。失礼かもしれないが、ほとんどの人は知らないのではないでしょうか。では、「朝日食品工業株式会社」はどうですか。実はアサヒコは2016年に社名変更したばかりでした。ですが、こちらもほとんど知られていないでしょう。アサヒコは創業50年を超える(1972年設立)、豆腐の製造、加工、販売を手掛ける会社です。
次に「豆腐バー」という商品を知っていますか。こちらはおそらく知っているだけでなく、実際に購入して食べた人も少なくないでしょう。「豆腐バー」は2020年11月にコンビニエンスストア最大手のセブンイレブンで販売を開始し、1年間で約1000万本を売り上げた大ヒット商品です。2023年4月末時点で4300万本を超えているそうです。現在はセブンイレブンだけでなく、ローソン、ファミリーマート、スーパーでも販売しています。
なぜ、無名の老舗企業が、大ヒット商品を生み出すことができたのか。しかも豆腐という昔ながらの食品を、どうして、どんな経緯や背景があり、加工して販売するに至ったのか。その理由、経緯、背景などが『集英社オンライン』の記事(2023年8月13日13時01分)で明かされています(掲載はポータルサイト「goo」)。アサヒコに転職してわずか5年、今年5月に代表取締役に就任した池田未央さん。池田さんの約2年に及ぶ「豆腐バー」の開発秘話は、実に読み応えがあります。お菓子メーカーで商品開発やマーケティングに携わり、ヒット商品を世に送り出してきた感性、経験、行動力を存分に発揮して出来上がったのが「豆腐バー」です。記事を読み進めながら、何度も唸らされました。
池田さんの観察(洞察)力、傾聴力には目を見張るものがあります。日本国内における豆腐の現状、渡米で知った米国における豆腐の食べ方、セブンイレブンの人気商品「サラダチキン」からの着想、セブンイレブンからの助言など、私たちが事業をする上で欠かせない要素が詰まっています。
池田さんのリーダーアップのもと、アサヒコは「豆腐のダイバーシティ」を目指す、と記事にありました。アサヒコの新たな挑戦から目が離せません。
私が普段コンビニに寄るのは、水を買うか、現金を引き出すためくらいです。が、これからは「豆腐バー」を買うためだけに、立ち寄ることが増えるかもしれません。