【ポッドキャスト #40】「採用広報」って何だろう!?

「広報」は本来の概念が浸透せず、誤解・曲解されがちなのが悩ましい。常々そう感じています。
大多数の中小・中堅企業が人材不足と高い離職率に悩まされています。
そんな状況で「採用広報」が注目を浴びています。「採用広報」が秘めた可能性を探ります。

音声(番組)は以下より聴取できます。
・ポッドキャスト:#40
・Spotify:#40

以下のとおり、要約しました。

全体概要

今回は「採用広報」を切り口に、広報の本質(目的達成・課題解決に資する双方向コミュニケーション)と現状の採用施策の課題、効果的な実践アプローチを整理。
中小企業の採用難という喫緊の課題に対し、等身大の情報発信の重要性を強調した。

背景認識:
・日本広報学会が新たに「広報」の概念を定義した。
 その要点は「目的達成と課題解決」を基軸に、広報が経営機能と定義したことにある。
 採用は経営における代表的課題。広報領域として適合。

・コロナ以降、採用LPや採用オウンドメディア、TikTokなどのSNS活用が増加

・「広報」の解釈の幅や馴染みの薄さがある。
 そのため、「採用広報」という具体的切り口は相手に腹落ちしやすい。

採用広報の位置付けと効果

「採用広報」は広告出稿中心の採用手法と対比され、広報本来の文脈で理解・実装しやすい。
・伝わりやすさ:
 「広報」よりも「採用広報」の方が企業、とくに中小企業の関心・理解を得やすい。
 マーケ起点(売り上げ・集客)に寄りすぎる誤解を避け、広報の本質を伝える橋渡しになる。

・実務面の広がり:
 採用LP、オウンドメディア、動画、SNS発信の活用機会が増加。
 受託側(動画・SNS支援)でも「やりっぱなし」からの改善を模索する動きが拡大。

現状課題(ギャップと定着率)

採用の際に発信する内容と実態の乖離が、入社後のミスマッチと早期離職を招く。

・典型例:
 盛りすぎたLP
 美化された社長メッセージ、爽やかな若手インタビューの演出過多、バラエティ的表現。
 TikTokなどでテンプレ的な「映える」手法に寄りすぎる。

・影響:
 期待と現実のギャップが不信・不安を生み、定着率低下・採用コストの無駄に直結。

成功アプローチ(等身大の発信)

原則は「ありのまま、等身大」。注目獲得よりも実態適合を優先し、持続的な採用成果と定着を図る。

・実践例:
 リクライブの事例:一発撮り・台本なしの社長インタビュー、社内ウォークスルー、
          ドキュメンタリー型の密着動画。

 岡山の若手起業家のTikTok採用運営事例:
    テンプレを排し、社長への徹底ヒアリングから各社固有の本質を抽出して発信。

・ポイント:
 手段先行(動画・SNSありき)ではなく、課題解決に役立つ「中身」を起点。
 会社に来なければ見えない日常を疑似体験化し、期待値を正しく形成。
 注目は必要だが、実態とかけ離れない範囲で設計する。

結論・方針

・採用広報は、中小企業が広報の本質に触れ、課題解決ドリブンで情報発信を再設計する有効な入り口である。
・目指す状態は「期待と現実の一致」。等身大の継続発信が、採用効率・定着率・企業理解の全てを底上げする。

以上

前の記事へ 次の記事へ