【ポッドキャスト #58】広報は「発信力」よりも「質問力」

社内報やポッドキャストを作るとき、多くの企業が「見てもらえるか」「聞いてもらえるか」を気にします。
しかし、発信よりも前にある「聞く」という行為の価値に、今回は焦点を当てています。
社員へのインタビューは、個人に埋もれた価値を言語化し、関係を生み出すプロセスです。

音声(番組)は以下より聴取できます。
・ポッドキャスト:#58
・Spotify:#58

以下、テキスト版です。ぜひご一読ください。

◆広報は「聞くこと」から始まる

荒木
前回はヤマハ発動機のインターナルコミュニケーション事例を紹介しました。
今日はその流れで、社内報づくりにおける「インタビュー」の意味を考えてみたいと思います。

濱口
社内報を作るとき、どうしても「見てもらえるか」が気になります。
でも実際に取材してみると、社員と向き合う時間そのものに価値があると感じています。

◆インタビューは価値を生み出す瞬間

荒木
そこが本質ですね。
広報は「見る・聞く・考える・伝える」。
まず聞くことが出発点です。

インタビューは単なる情報収集ではなく、
暗黙知を言葉に変えるプロセスです。
等身大の経験や感情、判断の背景が言語化されることで、
初めて共有できる価値になります。

◆作る過程そのものが広報

濱口
社内報は読まれるかどうかだけではなく、
作る過程にも意味がありますよね。

荒木
まさにそうです。
向き合って話す機会そのものが、
組織の関係性を変えていきます。

演出や誘導ではなく、
フラットに聞くことが重要です。

◆反対があるから新しいものが生まれる

濱口
新しい施策を始めると、必ず反対が出ますよね。

荒木
反対はむしろ健全です。
固定観念を越えた先に、新しい価値が生まれます。

理解してくれる人が一人でもいれば、
実践を通じて周囲の見方は変わっていきます。

◆「舞台裏」を言語化すると組織は変わる

荒木
以前、組織開発に携わる人から聞いた話ですが、
表面的な意見の衝突は、背景を言語化することで解消されることが多いそうです。

なぜそう思ったのか。
どんな課題意識があったのか。

その「舞台裏」を共有することで、
対立が発展的な議論へ変わっていきます。

◆広報視点は会社の新しい「目」になる

荒木
広報担当者は、
社内の「もったいない」を見つける役割でもあります。

外へ発信する前に、
まず足元を見て、目の前の声を聞くこと。

そこから社会との接点が見えてきます。

◆広報委員会という仕組み

荒木
中小企業では広報専属部門の設置が難しい場合がほとんどす。
だからこそ、経営者や各部署が関わる「広報委員会」が有効です。

一人広報ではなく、
組織全体で取り組む仕組みを作ることが重要ですね。

◆対談が生む新しい関係

荒木
社員同士だけでなく、
経営者とパートナー、顧客との対談もおすすめです。

正式な場での対話からは、
新しいアイデアや信頼関係が見えてきます。

言葉として残すことで、
それは企業の財産になります。

荒木
まずは「聞く」ことから。
インタビューの瞬間に、すでに広報は始まっているのです。

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