【ポッドキャスト #63】俳句と広報──17文字が動かす言葉の力

俳句は、わずか17文字で情景や感情を伝える日本文化の結晶。その力は、実は企業広報にも通じています。
俳句が「瞬間を言葉で保存する文化」なら、ニュースルームは企業の判断や歴史を言葉で残す仕組み。
言葉の力と記録の価値を、俳句という切り口から考える回です。

音声(番組)は以下より聴取できます。
・ポッドキャスト:#63
・Spotify:#63

以下、テキスト版です。ぜひご一読ください。

荒木
最近、俳句の話をする機会が増えています。きっかけは妻なんです。ここ数年、俳句にかなり熱心なんです。

濱口
そうなんですね。荒木さんの奥様が俳句をされているという話は以前少し聞きました。

荒木
きっかけはテレビ番組なんですよ。TBSの「プレバト」。木曜日にやっている番組ですが、妻と録画してよく見ていました。もう10年近くになると思います。

濱口
そんなに長く見ているんですね。

荒木
妻は愛媛出身なんですが、愛媛は俳句文化が強い地域なんです。正岡子規も愛媛ですし、「プレバト」で俳句を指導している夏井いつき先生も愛媛出身です。

濱口
なるほど、そういう文化的背景もあるんですね。

◆俳句を始めたきっかけ

荒木
2年ほど前、三軒茶屋で毎週やっている「居酒屋広報人」という交流会で、俳句の結社を主宰している女性と出会ったんです。

濱口
俳句の世界って結社という集まりがありますよね。

荒木
そうなんです。全国にたくさんあります。その女性が「お〜いお茶」の俳句で受賞したことをきっかけに結社を作ったんですね。その話を聞いてすぐに妻を紹介しました。

濱口
それがきっかけで本格的に俳句を始められたんですね。

荒木
はい。月に一度句会があって、そこで俳句を披露し合う。そこからどんどん面白くなっていったようです。今ではNHK俳句を録画して見たり、俳句雑誌を読んだり、かなり本格的になっています。

◆17文字の文学

濱口
俳句って、改めて考えるとすごいですよね。17文字ですから。

荒木
本当にそうなんです。17文字で情景が浮かび、人の感情まで動かすことができる。これはすごい文学だと思います。

濱口
私たちは広報の文章を書くとき、何百文字も使いますからね。

荒木
そうなんです。何百文字使っても伝わらないことがあるのに、俳句は17文字ですからね。優れた俳句は情景が浮かび、心も揺さぶられる。言葉の力を感じます。

◆ニュースルームとの共通点

荒木
俳句を見ていて思ったのは、「瞬間を言葉で保存する文化」だということです。

濱口
瞬間を言葉で保存する文化。

荒木
はい。見た景色、感じた感情、その瞬間を言葉にして残す。それを見ていて思ったのが、ニュースルームも同じだということです。

濱口
企業の出来事を言葉で残すということですね。

荒木
そうです。企業がある出来事に直面したとき、どう考え、どう判断したのか。それを言葉で残す。

濱口
俳句は個人の瞬間の記録。ニュースルームは企業の歴史の記録。

荒木
まさにそうです。言葉で残していく文化があるからこそ、後から意味が見えてくるんです。

◆言葉を残すということ

濱口
昔は社内報など紙媒体で残していましたよね。

荒木
そうですね。大企業の中には自社ミュージアムをつくり、会社の歴史がさまざまな展示物とともに見えるようにしているんです。例えばヤマト運輸のミュージアムでは、社内報の創刊時期が明記され、当時の社内報も展示されています。

濱口
記録してきたから残るんですね。

荒木
そうなんです。今はデジタルの時代ですから、企業が言葉を残していくことはむしろ重要になっていると思います。

濱口
俳句の話から企業広報の話につながるのが面白いですね。

荒木
結局、人間にとっても企業にとっても、言葉はとても大事なものだと思います。

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