【ポッドキャスト #68】デジタル空間に何を残すべきか

前回に続き、物流事故をめぐるネット上の批判や誹謗中傷を入り口。
企業と個人がデジタル空間とどう向き合うべきかを考える回です。
言葉は本人に届き、時に人を深く傷つけます。
その一方で、ネットは企業の歴史や姿勢を残す大きな可能性も持っています。

音声(番組)は以下より聴取できます。
・ポッドキャスト:#68
・Spotify:#68

以下、テキスト版です。ぜひご一読ください。

◆ネットの批判は、誰のためにあるのか

荒木
前回は、物流事故をきっかけに、企業が平時から自分たちの姿勢を残しておくことの大切さを話しました。今日はその続きとして、ネット社会とどう向き合うべきかを考えてみたいと思います。

濱口
壮大なテーマですね。

荒木
本当にそうです。でも、避けて通れない問題ですよね。事故や不祥事があるたびに、ネットでは個人や会社にものすごい批判が集まりますから。

◆ネットの言葉は本人に届く

濱口
今回の運送会社の件でもそうですが、直接関係のない人までが、表面的な情報だけで加害者や会社を強く責めるのはどうなんだろうと思うんです。

荒木
私もそう思います。もちろん事故について厳正な処分が必要なのは当然なんですが、それは法のもとでなされるべきであって、関係のない人が袋叩きにしていいわけではない。

濱口
しかも、ネットの言葉って本人に届くんですよね。

荒木
そこが大きいです。顔が見えないから軽く投げてしまうけれど、受け取る側には強く刺さる。場合によっては命に関わることすらある。

◆正義感の顔をした攻撃

荒木
厄介なのは、本人が正義感だと思って発信しているケースもあることです。

濱口
でも実際には、ただ攻撃しているだけに見えることもありますよね。

荒木
そうなんです。冷静な批判や問題提起ではなく、相手の人格を否定するような言葉になってしまう。そこには、自分の不満や苛立ちが混ざっていることもあると思います。

濱口
意見を持つこと自体は悪くないですけど、どう置くかが大事なんですよね。

荒木
まさにそうです。静かにテーブルに置けばいい意見を、わざわざ相手を傷つける形で投げつけてしまう。それはもう対話ではありません。

◆良い空間をつくるコミュニティもある

荒木
一方で、ネット上にも成熟した空間はあります。私が見ている音楽グループのファンコミュニティでは、誰かを下げる言葉や荒らし行為を、自律的に止めようとするんです。

濱口
それはすごいですね。

荒木
誰かが支配しているわけではないんです。ただ、「ここを良い空間にしよう」という共通意識がある。そうすると、自然と発言の質も変わっていくんですよね。

濱口
ネット全体を一気に変えるのは難しくても、小さなコミュニティ単位ではできることがあるのかもしれませんね。

荒木
そう思います。結局、使う側の姿勢が問われているんですよね。

◆デジタル空間に何を残すのか

荒木
私は、デジタル空間には大きな可能性があると思っています。小さな会社でも、自分たちが何者かを記録し、残していける。これは本当に革命的です。

濱口
その一方で、ネガティブな情報も簡単に広がってしまう。

荒木
そうなんです。だからこそ、企業は平時から、自分たちの言葉を丁寧に残しておく必要があるんです。事故や問題が起きたときに、臆測だけで語られないためにも。

濱口
ネットとどう向き合うかは、個人だけでなく企業にも問われているんですね。
荒木
はい。どういう気持ちで発信するのか。何を残していくのか。その問いは、これからますます大きくなると思います。

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