【ポッドキャスト #70】なぜ警察は、ここまで伝わらないのか

前回に続き、警察と広報をめぐる回です。警察がなぜ批判されやすいのか、なぜ見えない努力が伝わらないのか。
ネット空間での批判や、警察を支える市民との関係、そして企業と同じく「自分たちは何者か」を残していく必要性について考えます。
音声(番組)は以下より聴取できます。
・ポッドキャスト:#70
・Spotify:#70
以下、テキスト版です。ぜひご一読ください。
なぜ警察は、ここまで伝わりにくいのか
荒木
前回は『東京P.D.』をきっかけに、警察広報と企業広報の共通点や違いを話しました。今回はその続きとして、そもそもなぜ警察はここまで伝わりにくく、批判されやすいのかを考えてみたいと思います。
濱口
警察って、本当に大変な組織だなと思うんです。事件が起きれば「警察は何をやっているんだ」と言われるし、取り締まりをしてもまた批判される。褒められるより責められる方が圧倒的に多い印象があります。
◆警察は「批判されやすい組織」である
濱口
警察ものの漫画や番組でも、警察は国民のサンドバッグみたいな存在だと描かれることがあります。何かあれば叩かれる。しかも今はSNSがあるから、その声が一気に広がってしまう。
荒木
そうですね。しかも今は、表に出てきた断片的な情報だけで判断されやすい。背景や現場の難しさが見えないまま、強い言葉だけが飛び交ってしまう。そこはすごく難しいところです。
◆見えない努力は、見えないまま終わる
荒木
実は以前、神奈川県警と地域の経営者たちが交流する会に一時期入っていたことがあるんです。警察署長や地域企業の人たちが、毎月のように顔を合わせて、この地域をどう守るかを話していた。そういう地道な関係があるんですよ。
濱口
でも、そういう話って普通はあまり表に出てきませんよね。
荒木
そうなんです。だからこそ知られていない。警察は危機のときだけ報道されるけれど、平時に何をしているのか、誰と関係を築いているのかは、ほとんど見えていないんですよね。
◆知ろうとする姿勢がいる
荒木
最近、建築や空間づくりの専門家の方と話していて、万博の建造物を見ても「この短期間で、どれだけ苦労したんだろう」と考える、という話を聞いたんです。見えている結果の裏にある苦労や迷いを想像する視点ですよね。
濱口
私たちは、つい表に見えるものだけで判断してしまいますよね。
荒木
警察も同じで、結果だけを見て批判するのではなく、その裏で何が行われているのかを知ろうとする姿勢が必要なんだと思います。もちろん全部を擁護する必要はないけれど、知ろうとしないまま叩くのは違うんじゃないかと。
◆公共組織も「何者か」を残す必要がある
濱口
警察って、広報部があること自体を私はあまり意識していませんでした。事件が起きたら、捜査一課などがそのまま説明しているのかと思っていました。
荒木
実際はそこに広報課があって、整理し、調整し、公開し、蓄積していく役割を担っているんです。だったらなおさら、公共組織も自分たちが何者か、どんな迷いがあり、何を守ろうとしているのかを、もっと分かりやすく残していく必要があると思います。
濱口
それは企業にもそのまま当てはまりますね。
荒木
そうなんです。
何も起きていないときから、自分たちの姿勢や判断を残していく。
そうしないと、何かが起きたときに断片だけで語られてしまう。
そこは警察も企業も同じなんだと思います。

