【ポッドキャスト #76】「好き」と「働きたい」は、なぜ違うのか

前回の事例を受けて、今回は「人気コンテンツ」と「採用コンテンツ」の違いを掘り下げます。
癒しや好感を生むコンテンツはあっても、それだけでは応募にはつながらない。
SNSで認知を取りつつ、仕事理解や会社理解へどう橋を架けるのかを考える回です。
音声(番組)は以下より聴取できます。
・ポッドキャスト:#76
・Spotify:#76
以下、テキスト版です。ぜひご一読ください。
荒木
今週も先週の続きで、インスタグラマーおばあちゃんの事例を考えていきたいと思います。前回の話を整理すると、今回の問いは「人気コンテンツと採用コンテンツは何が違うのか」なんですよね。
濱口
たしかに、そこが大きな論点でした。すごく人気はあったんですよね。3万人フォロワーですし。
◆人気はあった でも主旨とは違った
荒木
そうなんです。人気コンテンツではあった。
でも、その人気の中身をよく見ると、介護の魅力というより、おばあちゃん個人の魅力が伝わっていた側面が強かったんじゃないかと思うんです。
濱口
たしかに。癒しや親しみは生んでいたけれど、介護の仕事理解にはつながっていなかったですね。
荒木
そう。見ていた人の中には、おばあちゃんを見て元気をもらっていた人もいたはずです。でも、その感情は「好き」や「癒される」であって、「ここで働きたい」とは別なんです。
◆「働きたい」には情報が足りなかった
濱口
では、何が足りなかったんでしょうか。
荒木
仕事のリアルだと思います。
おばあちゃんが魅力的なのはよかった。でも、その周りで働く人たちがどんな思いで働いているのか、どんなやりがいがあるのか、どんな大変さがあるのか。そこが見えてこないと、人は応募しないんですよね。
濱口
最初はおばあちゃんで引っ張っても、その先に働く人たちが見えてこないといけなかったんですね。
荒木
そうです。おばあちゃんをフックにしながら、少しずつスタッフや施設の全体像を見せていく。そこまで行って初めて、「好き」が「働きたい」に変わる可能性が出てきます。
◆SNSだけでも、ニュースルームだけでも足りない
濱口
荒木さんだったら、どう設計しますか。
荒木
やっぱりSNSだけでは足りません。SNSはフロー型なので、まず認知や共感の入口をつくるには向いている。でも、その先に、もっと深く仕事や会社を理解できる場所が必要です。
濱口
なるほど。
荒木
逆に、社員インタビューや社長インタビューだけを置いても、そこへたどり着くきっかけがなければ意味がない。
だから、SNSも必要。ニュースルームのような深いコンテンツも必要。さらに、場合によってはリアルな接点も必要。組み合わせなんです。
◆反省すべきは「手段」ではなく「設計」
濱口
となると、「Instagramがダメだった」とは言えないですね。
荒木
その通りです。SNSが悪かったわけではない。
設計が足りなかったんです。
認知を取り、共感を生み、仕事理解につなげ、応募につなげる。そこを段階で設計していかないといけない。
濱口
人気コンテンツと採用コンテンツは、似ているようで全然違うんですね。
荒木
違いますね。
だからこそ、話題になったことを「失敗だった」と切って捨てるのではなく、何が足りなかったのかを冷静に見る必要がある。
そこが見えれば、次の一手は必ず変わると思います。

