【ポッドキャスト #82】経営者が語ることと、担当者が担うことは同じではない


濱口さんの顧客企業では、採用支援とTikTok運用を別々に外注し、発信の一貫性が課題になっていました。
その実体験から、経営者が語ること、担当者が担うこと、外部に任せることを整理し、内製化を見据えた広報体制を考えます。を考えます。

音声(番組)は以下より聴取できます。
・ポッドキャスト:#82
・Spotify:#82

以下、テキスト版です。ぜひご一読ください。

荒木
先週は、採用広報という言葉の良さと、社員の声や経営者のメッセージを採用ページだけに置いておくことのもったいなさを話しました。

今日は、その続きになる実例があるそうですね。

濱口
私の顧客企業が、採用のためにTikTokを続けています。

実際に、若い人からの問い合わせも増えています。

採用ページは一度作ると、長い間更新されないことがあります。一方、TikTokは更新頻度が高い。そこには大きな良さがあると感じました。

◆繰り返し接触することで、会社を知ってもらう

荒木
確かに、採用ページはきれいに作られていても、一年ほど内容が変わらないことがあります。

採用を考えている人が一度読んで、それで終わってしまう。

濱口
掲載されていた社員が退職して、いつの間にかページから消えている。それだけが分かってしまうこともあります。

荒木
その点、SNSは継続的に情報を届けられます。

人は、一度情報に触れただけで、その会社を理解し、働きたいとは思いません。

何度も接触し、いろいろな社員や仕事の様子を見る中で、少しずつ会社を理解します。その積み重ねによって、「ここで働いてみたい」と思う可能性が生まれます。

若い採用候補者に届けたい企業が、TikTokを活用することには合理性がありますね。

◆手段より先に、会社を知る

荒木
以前、採用支援にTikTokを使っている、若いスタートアップの経営者に会ったことがあります。

その人は、フォロワー数を増やすことを最初の目的にはしていませんでした。

まず一日かけて、顧客企業の経営者にインタビューするそうです。

濱口
一日ですか。

荒木
はい。

その会社が何を大切にしているのか。どんな仕事をしているのか。経営者は何を考えているのか。徹底的に会社を知ってから、発信する内容を考える。

そして経営者には、「会社のありのままを出しましょう」と伝えるそうです。

TikTokだから踊る、面白いことをする、という手段から入るのではありません。

会社を知り、その会社らしさを継続的に伝える。それは、まさしく採用広報だと思います。

◆別々の外注では、一貫性が失われる

濱口
私の顧客企業では、TikTok運用と採用支援を、別々の会社に依頼していました。

そのため、経営者から見ると、それぞれが別の方向に動いているように感じたそうです。

そこで、採用とTikTok運用の両方を一貫して支援できる会社にまとめて依頼することにしました。

荒木

採用という目的と、TikTokという手段を一つにつなぐわけですね。

濱口
そうです。

ただ、経営者は外部に任せ続けるつもりではありません。

今は社内に担える人材がいないため外注するけれど、いずれは自社に担当者を置きたいと考えています。

荒木
そこが、とても重要ですね。

外注を利用しても、丸投げはしない。将来の内製化を見据えている。

広報を会社の中に残すという意識があるのだと思います。

◆経営者が語ることと、担当者が担うこと

濱口
全体を見て、発信に一貫性を持たせる人がいるかどうかで、かなり変わりますよね。

荒木
変わります。

経営者には、経営者が語るべきことがあります。

会社はどこへ向かうのか。何を大切にするのか。なぜこの事業をしているのか。何を選び、何を選ばないのか。

これらは、経営者から出てこなければなりません。

一方、担当者には別の役割があります。

現場に散らばっている材料を集める。社員の話を聞く。経営者の考えと結び付ける。伝わる形に編集する。そして、外部の運用会社とも連携しながら、継続して発信する。

経営者と担当者は、同じことをするわけではありません。

ただし、両者がつながっていなければ、広報は回りません。

◆どちらか一方だけでは続かない

荒木
私自身、以前は外部の専門家として、経営者と直接話し、広報を丸ごと任せてもらう形で支援していました。

その後、広報を企業に根付かせるには、社内担当者が必要だと考えるようになりました。

ところが、担当者を置いてもらうと、今度は経営者が「専門家と担当者に任せておけばよい」と離れてしまうことがありました。

それでは続かないんです。

濱口
経営者だけでも、担当者だけでも足りないということですね。

荒木
そうです。

経営者が一人で語り続けても、企業全体の広報力は高まりません。

一方で、現場担当者だけに任せても、経営の方向性とつながっていなければ、日々の発信がばらばらになります。

経営者が方向性や意味を示し、担当者が現場の材料を集め、伝わる形へ整える。

必要に応じて外部の専門家を活用しながらも、社内には全体を理解する人を育てていく。

この二つの役割が結び付いて初めて、広報は会社の中で続く仕組みになるのだと思います。

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