【ポッドキャスト #87】YouTubeは、なぜここまで広がったのか

テレビとは違い、普通の人の日常や舞台裏まで見ることができるYouTube。なぜ、ここまで広がったのでしょうか。身近さやリアルさ、人が自ら語ることの意味から、企業が自分たちのメディアを持てる時代の広報まで考えます。
音声(番組)は以下より聴取できます。
・ポッドキャスト:#87
・Spotify:#87
以下、テキスト版です。ぜひご一読ください。
荒木
今日は、濱口さんと一緒に一つのテーマについて考えてみたいと思います。
YouTubeって、なぜここまで広がったんでしょうね。
濱口
言われてみると不思議ですね。
動画配信サービスはほかにもありますし、SNSも次々と新しいものが出てきました。でも、YouTubeは長く使われ続けています。
荒木さんは、よく見ますか。
荒木
比較的見る方だと思います。
格闘技だったり、好きなアーティストのミュージックビデオだったり。
濱口さんは?
濱口
知り合いの経営者が発信している動画や、ゲームのRTAと呼ばれるタイムアタックの動画を見たりします。
かなりマニアックな分野でも、探せば動画があるんですよね。
◆テレビに出ない人が、何万人にも見られる
荒木
昔は映像に出る人といえば、テレビタレントや有名人でした。
ところが今は、それまで知られていなかった人が動画を配信し、何万人、何十万人もの人に見られることがあります。
なぜ、知らない人の動画をそこまで見るんでしょうね。
濱口
一つは、テレビよりもリアルに感じられるからかもしれません。
テレビは限られた放送時間の中で、企画して、編集して、演出して番組をつくります。
一方、YouTubeには、日常に近いものをそのまま見せる動画も多いですよね。
荒木
そうですね。
テレビにはプロデューサーや放送作家、演出する人がいて、一つの作品をつくります。
それに比べると、YouTubeには良い意味での素人感や、身近さがあります。
◆人は「舞台裏」を見たいのか
荒木
例えば、軽トラックで暮らしながら全国を旅する夫婦だったり、猫との生活だったり、料理をしているだけだったり。
日常生活そのものが、多くの人に見られることがあります。
濱口
メイキング映像が人気になるのにも、近いところがありますね。
完成した作品だけでなく、どう作られているのかを見ることが好きな人も多い。
荒木
まさに舞台裏ですね。
テレビでは完成したものを見る。
でもYouTubeでは、これまで表に出なかった日常や制作過程、本人の考えまで見える。
普段は見ることのできないものが、すぐ近くにあるように感じられる。
それが、人を引き付ける一つの理由なのかもしれません。
濱口
「遠くの有名人」ではなく、「身近に感じられる人」という違いはありそうですね。
◆「ありのまま」が価値になる
荒木
もちろん、YouTubeにも非常に作り込まれた動画はあります。
ただ、人気になる動画の中には、過度に演出されていない日常や、その人自身が出ているものも多い。
何か特別な企画がなくても、その人がどう暮らし、何を考えているのかを見ることで、親近感が生まれ、ファンになっていく。
濱口
発信する「人」が見えるということですね。
荒木
そう思います。
YouTuberが職業として今後どこまで成り立つのかは、広告収益の仕組みなどにも左右されます。
ただ、人自身がメディアになるという流れは、もうかなり広がっていますよね。
◆企業も、自分たちでメディアを持てる
荒木
これは企業広報にもつながると思います。
以前は、企業が映像で多くの人に情報を届けるには、テレビなど既存メディアの力が必要でした。
今は、自分たちで動画を撮り、自分たちのメディアとして発信できます。
濱口
実際、経営者自身がYouTubeで発信している会社も増えていますよね。
荒木
そうですね。
会社のことを誰かに説明してもらうのではなく、経営者自身が顔を出して語る。社員が仕事について話す。商品の舞台裏を見せる。
企業自身がメディアを持ち、自分たちの言葉で継続して伝えられる時代になりました。
YouTubeがここまで広がった理由を考えていくと、「映像だから」というだけではなく、人の姿や日常、舞台裏が見えることが大きいのかもしれません。
企業広報も、きれいに整えた情報だけではなく、その会社にいる人や、仕事の過程までどう見せていくのか。
これから、そこがますます重要になっていくように思います。

