中級講座 Ⅰ.理論・基礎知識 広報・PRの歴史 日本の広報・PR業界:PRプランナー資格認定制度
こんにちは。荒木洋二です。
今回も広報・PRの歴史についての解説です。
今回は「3 日本の広報・PR業界」の第3回目の講座です。前回は「②専門職大学院」と「③専門誌」について説明しました。今回は「④PRプランナー資格認定制度」について紹介します。
④PRプランナー資格認定制度
PRプランナーの資格認定制度は3段階で構成されています。「PRプランナー補」に始まり、「准PRプランナー」、そして「PRプランナー」と三つの資格があります。
「PRプランナー」資格を取得するための検定試験があります。詳しくは下図を参照してください(下図参照)。
このように、1次試験、2次試験、3次試験という3段階の検定試験を受験しなければなりません。
■検定試験内容
それぞれの検定試験の内容について、簡単に説明します。
・1次試験
広報・PRに関する基本的な知識。
・2次試験
広報・PRの実務に関する専門知識。
・3次試験
広報・PRに関する実践技能。二つの課題が出題されます。
課題A:ニュースリリースをその場で作成する。
課題B:広報・PR計画の立案をその場で作成する、
■試験時間
次に試験時間です。
1次試験は80分。出題数は50問(マークシート形式)。
2次試験は4科目、各科目50分。出題数は各科目25問(マークシート形式)。
3次試験は180分(3時間)。出題数は各課題一問、合計2問。
続いて、各資格についてもう少し詳しく見ていきましょう。
■PRプランナー補
認定の条件は1次試験合格者、かつ「PRプランナー補」書類審査合格者。
広報・PR実務に従事するために、必要最小限の基礎知識を有することを認定する資格です。広報・PRに関する基礎知識を問う検定1次試験に合格して、「PRプランナー補」取得申請と書類審査を経て取得できる資格です。
■准PRプランナー
認定条件は1次試験・2次試験の合格者、かつ「准PRプランナー」書類審査合格者。
広報・PR実務に必要な専門知識を有することを認定する資格です。広報・PRに関する実務知識を問う検定2次試験に4科目合格し、「准PRプランナー」取得申請と書類審査を経て取得できます。「PRプランナー補」認定資格は不要。
■PRプランナー
最上位資格です。認定条件は1次・2次・3次試験合格者、かつ「PRプランナー」書類審査合格者。
日常的な広報・PR実務を幅広くこなし、かつ広報・PR責任者をサポートする知識・提案能力を有することを認定する資格です。検定1次、検定2次、検定3次試験に合格して、「 PRプランナー」取得申請と書類審査を経て、取得できます。受験資格としては、検定試験の1次・2次に合格していればいいのです。「准PRプランナー」同様に、「 PRプランナー補」「准PRプランナー」の認定資格を取得しているかどうかは問われません。ただし、1次試験・2次試験には合格していなければなりません。そして、3次試験にも合格することで取得できる資格です。
■PRプランナー資格認定制度/テキスト概要
最後にテキストを2冊紹介します。
PRプランナー資格認定に必要な、検定試験を受けるのに必要なテキストが販売されています。
1)『改訂版 広報・PR概論(1次試験対応テキスト)』
詳しくは下図を参照してください(下図参照)。
基礎知識としながらも、内容がかなり濃いのが特徴です。外来語の経営用語がたくさん出てきますので、少々難しく感じるかもしれません。広報に必要な内容、本来のパブリック・リレーションズに必要な内容はほぼ網羅されています。
2)『広報・PR実務』
もう一つは2次・3次試験対応テキストです。
詳しくは下図を参照してください(下図参照)。
非常に幅広く、深い内容で構成されています。
このようにテキストが2冊出版されています。ぜひ購入し、勉強してから受験してみてください。
「PRプランナー」資格は、大企業の広報部スタッフ、PR会社のスタッフ、あるいは学生なども受験しています。PRプランナー補は実務経験がなくても受験できます。合格者も学生含め何千人もいます。
関心のある人はぜひ一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
年2回、全国主要地(東京・大阪・福岡)で、試験会場を設けて、検定試験を実施しています(コロナ禍以前)。
これで「3 日本の広報・PR業界」の「④PRプランナー資格認定制度」についての解説は終わります。
次回は「広報・PRの歴史」講座の最後として、広報・PRに関する「⑤業界関連企業・組織」について解説します。