初級講座「Ⅲ.実務能力編」 プレスリリースの作り方 プレスリリースを作る準備③

こんにちは、荒木洋二です。
「プレスリリースの作り方」第6回は、前回に続き、「プレスリリースを作る準備」について解説します。

次の六つの項目を5回にわたり、解説します。

(1)どんな要素が必要なのか
(2)どんな構造なのか
(3)ひな形を作る
(4)新たな取り組み・打ち手とは
(5)新たな取り組み・打ち手の事例 
(6)テーマを決める

前回は「(2)どんな構造なのか」「(3)ひな形を作る」を解説しました。
今回は「(4)新たな取り組み・打ち手とは」について解説します。

(4)新たな取り組み・打ち手とは
もう一度、振り返りましょう。プレスリリースとは何でしょうか。
プレスリリースとは、組織の「新たな取り組み」を報道関係者に発表する資料です。

新たな取り組み・打ち手であれば、全て発表できます(次のスライド参照)。

詳しくは「プレスリリースの作り方」講座の第2回「プレスリリースとは?」で解説したとおりです。今一度、ご参照ください。

新たな取り組み・打ち手は、企業・組織が持つ関心と、抱える課題から必ず生まれます。その関心を具現化する企画を立てるため、その課題を打開・解決するために、新たな取り組み・打ち手は生まれてきます。

次のスライドに示したとおり、新たな取り組み・打ち手とは、経営戦略の一環です。企業・組織は経営戦略に基づいて事業計画を立てます。その事業計画の中に新たな取り組み・打ち手は示されています。事業計画の中にプレスリリースとして発表できるものは全て入っている、というわけです。
つまり、プレスリリースの一覧は組織における戦略の履歴といえます。

では、企業・組織が持つ関心と課題とはどういうことでしょうか。ここでいくつか例を挙げてみます。次の2枚のスライドに八つの事例を挙げますのでご確認ください。

あくまでも例として挙げたわけですが、これらのことが企業・組織が抱える関心と課題です。
このような関心と課題から新たな取り組み・打ち手は生まれます。

先ほどの事例の一つ一つに対する新たな取り組み・打ち手を例示してみます。

・もっと優秀な人材を獲得したい → 採用広報を強化
・なかなか社員が定着しない   → キャリア形成制度を導入
・新しい市場を開拓したい    → 業務提携による新市場への参入

・新製品を開発したい      → 設備投資による新規ライン増設
・販路を広げ、顧客を増やしたい → 拠点増設、新規販路開拓
・顧客との関係が深くならない  → アフターケア体制の拡充
・売れない市場から撤退したい  → 工場閉鎖、人員削減
 
上場企業や大企業は、一見するとマイナスと思われる情報も必ず発表しています。

・地域とのトラブルを減らしたい → 住民対象の工場見学会開催

今まで挙げたことは全て新たな取り組み・打ち手ですから、プレスリリースとして発信できます。もっと本質を捉えていえば、社会的責任として公開・発信すべきことなのです。

次回は「(5)新たな取り組み・打ち手の事例」を今回よりも詳しく説明します。

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