Weekly Essay 幾重にも織り込まれた物語に魅了される 〜侍ジャパン、WBC優勝
事実は小説よりも奇なり。筋書きのないドラマ。漫画やドラマを超えた。そんな聞き慣れた、言い古された言葉でしか表現できないほどの盛り上がりを見せた、今回のワールド・ベールボール・クラシック(WBC)。侍ジャパンの選手、スタッフ、熱心に応援したファン、いやWBCに関わった全ての関係者たちに祝福と感謝の言葉を述べたいと思います。
おめでとう! そして、ありがとう!
テレビでの中継やスポーツニュース、数多くのメディアがインターネット上で発信した情報、SNS(交流サイト)でのファンや生活者たちの生のメッセージ。膨大な情報が日本中であふれかえっていた、この1週間でした。試合を観戦しただけでは知り得ない、幾重にも織り込まれた「舞台裏」の情報に触れ、その一つ一つの物語に魅了され続けた1週間でもありました。不覚にも記事やコメントを読みながら、涙腺が何度も緩みました。
私はコラムの中で、パブリック・リレーションズの実践により、経営における基礎体力を強化することができることを何度も繰り返し述べてきました。理念やビジョンを根本に据えたステークホルダーたちとの継続的なコミュニケーションは、彼らとの間に信頼を築き、共感や一体感を確実に醸成します。その共感や一体感は、すさまじいエネルギーを発します。今回の侍ジャパンの優勝は、その正しさを再確認できた出来事でもありました。
栗山英樹監督によるメンバー選出。大会を通じて一貫していた信頼を土台とした選手起用。最年長のダルビッシュ有選手のリーダーシップ。ラーズ・ヌートバー選手の放つ底抜けに明るい波動。大谷翔平選手の自信と気迫のこもったプレー。栗山監督の信頼に応えた村上宗隆選手の打撃。侍ジャパンだけでも数えれば、きりがありません。日本だけでなく、参加各国でも話題になっていたようなので、きっと同じように魅了された人たちが世界中にいたに違いありません。
ブランディングとは自らの魅力を相手の心に「焼き印」することです。今回のWBCは、間違いなく野球(ベースボール)のブランディングにつながったことでしょう。
3月13日(月) 荒木洋二のPRコラム
【過去の人気コラム】#31 ブランディングの鍵は「舞台裏」にあり(3)
3月18日(土) ホンマルラジオ
【第1回ゲスト】石島 幸子 氏 対話型組織開発で人材に関する様々な問題・課題を根治に導く社員研修を提供