Weekly Essay どうする? どうなる? ジャニーズ事務所

6月12日(月)、故・ジャニー喜多川氏による性加害問題に関して、ジャニーズ事務所が設けた「再発防止特別チーム」の記者会見が都内で行われました。マスコミ各社が一斉に報じ、ネットニュースでも速報していましたので、ご覧になった人も多いでしょう。

先々週、RMCA副理事長の石川慶子さんの「Yahoo!」でのコラム(2023年5月26日)を紹介しました。コラム執筆時点では、同事務所は第三者委員会の設置に関しては明らかに後ろ向きでした。石川さんは「徹底究明のあり方を検討した弁護士、外部の専門家とは誰なのか明らかではありません。となると、検討していないに等しい。調査を望まない人がいるから第三者委員会を設置しないというのは意味不明、説得力がありません」と同事務所の姿勢を厳しく断じていました。
ただ、ちょうどコラムをアップした同日、同事務所は「外部専門家による再発防止特別チームの設置」などに関して公表しました。報道によると、同チームは「検事総長経験者、精神科医、性暴力等の被害者支援の実践を行っている臨床心理の研究者から構成されて」(『ABEMA TIMES』2023年6月12日)おり、「いずれもジャニーズ事務所とはこれまで関係を一切有していない」(同)とのことでした。石川さんに限らず、同事務所を取り巻く関係者などから同様の苦言や指摘があったのでしょう。
同チームを構成するメンバーたちの発言を見ると、使命感を持っていることがうかがえ、かなり踏み込んだ調査を行うことが期待できます。検証結果とともに再発防止の提言もするとしています。報道機関、スポンサーで関わってきた大企業、政府までもが長らく蓋をしていた問題の全貌が明らかになる日が近づいています。

ジャニーズ事務所は変われるのか。いや、そもそも企業として存続できるのか。検証結果や提言を受けて、どう対応するのか。どうなっていくのか。今後も注視したいと思います。

追記(2023年6月15日)
本日、石川さんの最新コラムが公開されました。今回も性加害、ジャニーズ事務所の問題を取り上げています。


6月5日(月) 荒木洋二のPRコラム
【過去の人気コラム】#68 パブリシティの未来(2)


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