【ポッドキャスト#0】 オタク目線で語る「広報」の哲学ラジオ『広報オタ倶楽部』始まります!

当カテゴリーは、公式ラジオ番組『広報オタ倶楽部』のテキスト版です。配信1週間後に投稿します。

「広報って何?となったとき、ちゃんと日本語で伝えていきたい」「本来の広報をもっと当たり前に広げていけるようにしたい」

荒木:濱口さん、おはようございます。

濱口:荒木さん、おはようございます。今日もいい朝ですね。

荒木:そうですね。いよいよラジオ番組が始まりましたね。

濱口:今日は番組始まりの、お祝いの日ですね。

荒木:濱口さんは鹿児島、僕は神奈川に住んでいて少し距離はありますが、これまでに何度か直接、会ったことがあるんですよね。お互いのことはある程度知っているんですが、改めて、簡単に自己紹介をしましょうか。

まず、私は荒木洋二と言います。 広報とかパブリックリエーションズ、時にはブランディングという言い方もあり、その分野に携わって、ちょうど来年の4月で丸28年です。今のAGENCY  ONEというPR会社を立ち上げて、来年の8月で丸19年になりますね。

濱口:長いですね。すばらしい。

荒木:もう広報PRの世界にどっぷり浸かって 28年です。

濱口:「オタク極まれり」な年数ですよね。

荒木:最初は、よくあるPR会社で、ひたすらメディアに向かって情報発信していたんですよ。2006年に起業してから、だいぶオタク度が増してきましたね。広報と全然関係のない本を読んで、そこから広報に結び付く研究をして、流れ流れて、とうとうオタクになってしまいました。

濱口さんとは、初めて会ってからどれくらい経つのかな。きっかけは、僕がやっているニュースリリースやニュースルームの講座に参加してくれたんだよね。

濱口:そうですね。一年ぐらい経ちますね。

荒木:濱口さんからも、簡単に自己紹介をお願いします。

濱口:ありがとうございます。私は鹿児島から参加しております。荒木チルドレンの濱口ちあきと申します 。プレスリリースやメディア向けの広報記事を書いています。

そこに携わる中で、「そもそもプレスリリースって何なのか」を、プロとして担っている人たちでさえも分かっていないことが大半だと感じたんです。荒木さんから、「プレスリリースは、企業が メディアに向けて、大事な情報を発信する唯一の方法で、メディアは、このようにして捉えてるんですよ」と教えてもらった時に、ものすごく感動して、広報ってこんなにすばらしいんだなって感じました。

それをきっかけに今なお、荒木さんから学ばせていただいている、鹿児島在住の濱口です。

荒木:仕事も広報に携わっているんだよね。初めて直接会ったのは今年の夏だったね。その時

にも、ずいぶんオタク度を発揮してベラベラと話したよね。
濱口:話を聞いていて、全く飽きなかったですね。その時は、何時間ぐらい話しましたかね。

荒木:2時間ぐらいは話していたかな。

濱口:2時間どころじゃなかったですよ。多分3時間くらいかな。荒木さんはイタリアンがお好きなので、一緒にパスタを食べながら話しましたね。その時の話も、すごく面白かったので、録音しておけばよかったなって思っていたんです。

荒木:濱口さんが関心を持って聞いてくれているから、話しやすいよね。そうじゃないと、なかなか話しても、糠に釘じゃないけど、通じない場合もあるじゃない。目をらんらんとして聞いてくれるから、ついつい調子乗って話し過ぎたな。

濱口:こんなにもオタク度が高い荒木さんからの話は、全員が聞くべきだと思っていますからね!

■自分のブランディングをしようと思ったとき、「人柄が伝わるのはラジオだ」とピンときた

荒木:こうやってラジオを始められることがうれしいな。ポッドキャストは、これまでに、専門で行っている人たちに会って提案されたこともあったけど、 ピンと来てなかったんだよね。

でも、番組をプロデュースしてくれるリクライブ編集長の二宮さんがやっている「東京広報大学」のリアル収録が東京の千駄ヶ谷で今年(2024年)の9月あってね。そこに参加して、初めて二宮さんと直接会って、 いろいろな話を聞いていたら、おもしろいなと思ったのがきっかけだね。経営者のラジオ番組も、いっぱいやっていたし、そこで、やってみたいなという気持ちになったんだよ。

それから、つい最近、ポットキャストの番組でインタビューを受けてね。余計に関心が高まって、やってみようと思ったんだ。実際にやるとなると、一人でっしゃべってもしょうがないと思っていてね。

濱口:荒木チルドレンの私としては、こんなに光栄なご指名はないので、うれしいです。荒木さんは、よく文字で 広報のことを残されていていますよね。文字も、もちろんいいけれど、耳からが入りやすい人も、いっぱいいると感じるんです。荒木さん、話すのも、めちゃくちゃうまいですからね。

荒木:お酒を飲んでいる時や、たまに飲んでいなくても滑舌が悪いって怒られることもあるよ。

濱口:収録の時は、ぜひシラフでお願いします。

荒木:番組は「おはようございます」で始まるから、こんな時間に飲んでいたら駄目だよね。

耳からの情報の方が入りやすいっていうのは、確かにあるね。これまで、主に文字で表現してきだんだが、二宮さんから「ラジオは人柄が伝わる」と言われたことがあってね。自分では常に 「ブランドには、機能と情緒があって、企業でいうと、実力と人柄なんだよ」と、散々言ってきたから、自分のブランディングをしようと思ったときに、ピンと感じたんだよね。そこから気持ちが高まって、「ラジオを始めよう!」と決断したね。その時にすぐ、濱口さんと話しながらできたらいいなと思いついたよ。

濱口:それは、うれしいですね。

■「広報」という言葉に特別なこだわり

荒木:番組の名前も、二宮さんと話しながら決めたんだよね。 うちの会社の方針として「ちゃんと日本語で伝えたい」という思いが常にあってね。それで、提供しているサービスも、「広報人倶楽部」と名付けていて、倶楽部は漢字で書くの。カタカナが多い言葉は、なんだか嫌だなという思いがあるんだよ。

企業理念も「それは企業の人格」と掲げていて、「広報って何か?」となったときには、「それは企業の人格を表すことで、 企業の人格がつくられるよ」と、とにかく日本語で伝えていきたいと。そこで、「広報をする人=広報人」と表して、「広報人倶楽部」という名前で2019年くらいから、人材育成のためのコンテンツとしてeラーニングとかを始めたんだよね。

一方で、周りからはPRオタクって呼ばれ続けていたし、そんな時二宮さんが「広報オタ倶楽部」とひらめいてくれ。音で聞くと「広報オタク・LOVE」みたいにも聞こえるしね。

濱口:いいですよね。「頓知と愛が詰まっています!」という感じがしますね。

荒木:そうね、愛が詰まっている。僕がこの業界と最初に出会ったときに広報という言葉から入ってきたからね。広報という言葉に、特別なこだわりがあるから、この「広報オタク・LOVE」という響きが、すごくいいなと感じるね。そして、あえて、日本語の漢字で倶楽部と表現して、伝えていきたいなという思いを込めたんだよ。

濱口:めちゃくちゃ愛らしいタイトルになりましたね。

荒木:愛らしいね。それから、今年(2024年)の1月に、『選ばれるブランディング・選ばれないブランディング  企業ブランド力向上の鍵を握る「舞台裏」』(セルバ出版)を初めて出版したんだ。さらに、(同年)9月下旬に2冊目の、図解入門ビジネスシリーズで『最新のブランディングの基本と動向がよ~くわかる本』(秀和システム)を出版したことで、多くの人たちに読んでもらえるようになったね。そこから「私が思っていたことが言語化されている」とか、他にもさまざまな感想をもらえたり、ファンめいた人が生まれて増えてきたり、うれしい効果だと思っていてね。

ただ、そこからは何度も話を重ねて会話しないと、深いところまではすぐに理解できない部分もあるなと感じているところ。「本来の広報を当たり前にしたい」と思っているから、 そのためには、語り続けていきたいし、書き続けたいね。

あまり堅苦しい雰囲気や話ではなくて、気軽にね、お酒を飲みながら会話している気持ちで聞いてもらえたらいいな。そんな感じで濱口さんと話しながら、気楽に聞いてもらえる番組を作って、いろいろな形で広報を広めていきたいね。

■ビジネス書にテーマソング! ミュージックビデオ出演の舞台裏

荒木:番組のオープニングで流れている曲があるんだけど、その曲の作詞作曲を手掛けているのがラッパーのGANMA君なんだ。おもしろいことに、『選ばれるブランディング・選ばれないブランディング』の出版計画が進んでいたときに、偶然、20歳も年の離れたプロのラッパーであるGANMA君と知り合ったんだよね。初対面なのにすごく意気投合して、2回、3回目と立て続けに六本木で飲んだんだよ。

そんな中で、本を出す話をしたら、彼が、「荒木さんが本を書くなら、僕がテーマソングを作りますよ! だって、ビジネス書のテーマソングなんて他にないでしょ!」と提案してくれてね。そこから、この曲が生まれたんだ。

ただ、実は当初、出版計画が思うように進まなくて「出版するする詐欺」みたいな感じに陥っていたんだよ。当初予定していた出版社が小さくて、進みがゆるやかだったから、(結果的に)盛り上げるために何度も「出版記念イベント」をしていたんだよ。けれど、最終的に、その出版社自体が消えてしまってね。2年半もかけて原稿をやり取りして、最後に「これを校正・校閲したら出版ですね」と言われたまま、突然消えてしまうんだから、きつかったね。

それでも、本当にタイミングが良いことに、その出来事の1カ月くらい前に、今でも付き合いのある優秀な出版プロデューサーに出会っていたの。彼を頼りに「なんとかなりませんか」と泣きついたら、その日のうちに実際出版したセルバ出版の社長にアポイントを取ってくれたんだ。

それからは、話の進みが早くて、(2023年)11月下旬に原稿を持って行き、フォーマットをセルバ出版用に手直しすれば、来年(2024年)1月末に出版できると、トントン拍子で話が決まり、無事出版できたんだよ。

(その少し前から)GANMA君には、作詞作曲のために本のキーワードが欲しいと言われていてね。それで、うちの企業理念や本に書いた言葉の中から100個ぐらいを選んでGANMA君に送ったんだよね。

出来上がった歌詞を読むと、ステークホルダーや舞台裏とか、大事なキーワードを使って曲を作ってくれていて、それがラップに乗って流れてくるんだよね。

濱口:それはうれしいですね。ステークホルダーという単語なんてね、広報とかPR業界に携わっている人でも、知らない人が結構いますからね。それが、まさかのラッパーが歌っているというね。こんな渋い歌、他にはないですよ。

荒木:そうそう、しかもミュージックビデオも作ろうって話になってね。それで、今年(2024年)の8月にガンマ君が自分で持っているレーベルから、全世界155カ国に向けて曲を配信したんだよ。彼のレーベルでは、SpotifyやApple Musicのような55の音楽プラットフォームに配信できる仕組みがあるんだ。

さらにね、その曲がYouTubeでもミュージックビデオ付きで公開されていて、これも同じく8月に公開されたんだ。ちなみに、僕もそのミュージックビデオにアディダスの黒ジャージ上下で出演してるんだよね。

濱口:荒木さん、もうそれは音楽業界の人じゃないですか。このポッドキャストのサムネイルをパッと見た時、「これは 広報の人ではなくって、ラッパーの人のポッドキャストですよね」と思ったんですよ。

荒木:そう! その説明をしないとね、どんなラジオ番組なんだ?って、みんな思うよね。特に初回だからね。

濱口:「荒木さん、サムネイルの情報量が多過ぎてついていけません! 詰め込みすぎですよ、初回から」となりますね。

荒木:その撮影がね、またいろいろな体験とおもしろい話があったんだよ。埼玉にあるスタジオを借り切って撮影したんだ。撮影は夜9時からスタートして、その前にGANMA君から「7時に渋谷のアディダスの前に来てください」と連絡をもらってね。到着したら、いきなり黒ジャージの上下を3着くらい渡されて、着替えさせられたんだよ。その中に、ちょうど1週間前に発売されたばかりのレザー素材の新作で、すごくかっこいいものがあった。

GANMA君と映像プロデューサーの間では、「荒木さんは、どうせ歌えないし踊れないから、おふざけでいきましょう!」という話で決まっていたみたいでね。でも、いざ、その新作のかっこいい撮影用の衣装に着替えたら、あまりにも似合い過ぎていたようで「やっぱりかっこいい路線で行こう!」って急遽、方向転換したんだよね。

でも、そうは言っても、ダンスの振り付けは教わらないままだったね。「荒木さんにダンスを教えても多分無駄ですから」とか言われて。結局、ぶっつけ本番で、プロのダンサーに囲まれて、よく分からない踊りをしたね。他の場面では、スーツ姿の僕が、画面を横切ってチラリと登場していてね、楽しい経験だったよね。

濱口:へぇ~、おしゃれなミュージックビデオですね。

■どんな話題でも結局は広報の話に行き着く いまだに広報がおもしろくて、改めて深さを感じる

荒木:GANMA君は、渋谷クロスFMで、自分の番組『ロスファウ LOST&FOUND』(毎月第1・第3日曜日の22:00-22:50)をやっているんだよね 

「失ったものがあるからこそ今がある」という考え方を番組のテーマに、経営者をゲストに呼んで、「今は、こんな仕事をしてるけど、実は過去にこんなものを失っている」というような話を聞いていく番組なんだ。

その番組のオフィシャルイベントが定期的に開催していてね。12月2日には渋谷のクラブを貸し切って開催されたんだよね(同年8月にも開催)。GANMA君がイベントの途中で、初めて生歌をみんなの前でパフォーマンスしたんだよ。そこで、僕は黒ジャージに指輪をジャラジャラ付けたスタイルで登場して、呼ばれてもいないのに舞台に上がって一緒に踊ってね。GANMA君からは、「邪魔だから! やりづらい!」とか言われちゃったね。

濱口:そういうところが荒木さんらしいですね。

荒木:彼は小柄で細いからね。僕は身長183センチあって、大きいから横に並ぶと余計に邪魔だよね。

濱口:荒木さん大きいから目立ちますよね。それじゃあ全部、荒木さんが持っていっちゃうじゃないですか!

荒木:そういう僕の一面も、番組を通して知ってもらえたらいいなと思ってね。そうは言っても、普段の出来事やニュース、いろいろ気になる話題をお互いに話していても、結局どこかで広報の話題に行き着くんだよね。

やっぱり根っこは結構な広報オタクなんだよね。いまだに広報って本当におもしろいなと思うし、改めて深いなって感じることが多いんだよね。新しい本を読むたびに、気づきがたくさんあるからね。この番組を通して、「実はこんなにオタクなんです」というキャラクターが自然と伝われば、それが一番いいなって思っているんだ。

濱口:そうですね、日常会話そのものがオタクなんだっていうところですよね。

荒木:そうなんだよ、それが話せることがね、やっぱり面白いんだよね。広報というと、なんとなく企業の中では、本来と違う方向性で認識されがちだからね。話がオーバーに聞こえるかもしれないけれど、それでは誰も幸せにならないと思っていてね。広報という言葉がかわいそうだなって危惧しているんだよね。なんとか本来の広報をもっと当たり前に広げていけるように、本も書くし、ラジオ番組も始めたしね。めげずに延々と続けていきたいね。

濱口:歌も作っちゃいましたしね!

荒木:不思議な縁だよね。GANMA君自身も気に入ってくれているんだよね。彼は今年ちょうどデビュー20周年で、この楽曲発表をした8月を皮切りに、毎月1曲ずつ新曲を出しているからね。

濱口:それはすごいですね!

荒木:こんな感じで濱口さんと、いろいろな話をしていければいいなと思っているので、また次回以降もよろしくお願いします。

濱口:はい、また来週よろしくお願いします。

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