初級講座 Ⅰ.理論・基礎知識 広報PRって何をするの?

こんにちは、荒木洋二です。今回から「広報PRって何をするの?」の本論を解説します。

前回は「はじめに」と題して、全体を概観しました。「理論・基礎知識編」全体をもう一度振り返りつつ、最後の締めくくりとなる「広報PRって何をするの?」がどう位置づけなのかについて説明しました。

「広報PRって何をするの?」は以下の四つで構成しています。
1)組織としてのコミュニケーション 
2)「伝わる」をひもとく 
3)広報媒体とは? 
4)広報担当者の立場と役割

今回は1番目の「組織としてのコミュニケーション」について解説します。今まで何度も繰り返し述べているとおり、広報とは利害関係者との良好な関係構築という概念です。もっといえば、共感に基づく信頼関係を築くことであると説明してきました。この信頼関係こそが経営における基礎体力です。基礎体力ですから、企業・組織にとって(組織としての継続した)利害関係者とのコミュニケーション活動が絶対に必要となるわけです。

ここで自分が所属している企業・組織の現状を振り返ってみましょう。

それぞれの利害関係者とのつながりが部署単位や担当者個人にとどまっていないでしょうか。あるいはコミュニケーション自体が場当たり的になっていないでしょうか。しっかりと組織として利害関係者とつながり関係を築いているかどうか。コミュニケーションをするに当たって、しっかりとした戦略や計画を立てているのか。今一度、自分自身の組織を振り返ってみてください。

いかがでしょうか。一人の優秀な営業パーソンが顧客の担当者と良好な関係を結び、信頼されていることは決して悪いことではありません。もちろん、いいことです。しかし、問題にすべきは組織としてつながっているのか、組織として関係を築いているのかどうかです。つまり(個人というよりは)組織としてのコミュニケーション能力が問われます。組織全体としてコミュニケーション能力を身に付けるためにはどうしたらいいのか。

まず、広報に関する専門人材を配置することです。専門人材になるように育成することです。そして、もう一つ。コミュニケーションが組織として、ちゃんと機能するような仕組みがあるのか。そういう文化とシステムがちゃんと組織に搭載されているのか。この二つが非常に重要なポイントです。

さて、ここでもう一度、利害関係者とのコミュニケーションとは具体的にはどういうことなのか、おさらいしてみましょう。

利害関係者に対して、「みる」「きく」「考える」、そして「話す」つまり「伝える」ことがコミュニケーションの基本です。「みる」「きく」はあえて平仮名にしていますが、詳しくは改めて説明します。初級講座、そして中級講座全体を通して利害関係者とのコミュニケーション、「みる」「きく」「考える」について詳しく解説しています。

まず、「考える」。これは理論や基礎知識を学ぶということです。場当たり的ではなく、論理的思考を身に付けることが肝要です。「考える」という部分について、具体的には中級講座の「理論・基礎知識」編で学びます。「戦略設計と活動計画」という講座で詳しく解説します。

まず、「考える」。これは理論や基礎知識を学ぶということです。場当たり的ではなく、論理的思考を身に付けることが肝要です。「考える」という部分について、具体的には中級講座の「理論・基礎知識」編で学びます。「戦略設計と活動計画」という講座で詳しく解説します。

次に「みる」「きく」ということに関しては、初級講座と中級講座の「組織能力編」で詳説します。初級講座と中級講座全体を通して、パブリック・リレーションズ、つまり良好な関係を築く、信頼関係を築くためにどうしたらいいのか。リレーション、コミュニケーションその全てを一つ一つひもといていきます。組織全体にいかに広報文化を定着させることができるのか。それを実現できる体制とシステムを組織は構築する必要があります。

最後に「伝える」に関しては、初級講座と中級講座の「実務能力編」で具体的に詳しく解説します。組織において広報の専門部署、専門人材を設置し配置することが必要です。万が一、兼務であったとしても広報を担う人材を必ず最低一人は組織内においてください。

そして、その立場にある、責任を負った人が実務能力(=専門スキルを習得する)を身に付ける必要があります。スキルを習得できるように全て教えているのが、「初級講座」と「中級講座」の「実務能力編」です。

今回の講座で見てきたように初級講座と中級講座の全てを通じて、「みる」「きく」「考える」「伝える」とは何なのか。徹底して学びます。具体的には広報PR活動の目的は経営における基礎体力づくりです。ですから地道に続けるしかありません。皆さんも基礎体力づくりを行ったことがあるでしょう。経験があると分かると思います。止めてしまうと、筋肉や体力は早晩衰えてしまいます。ずっと続けていかなければ、維持もできないし、強化もできません。

利害関係者との(組織としての)コミュニケーション活動は地道に続けるしかありません。まさしく「継続は力なり」ということです。止めれば、経営の土台が揺らいでしまいます。経営の基礎体力が落ちてしまいます。ですから、コミュニケーションを組織として継続することが重要ですし、「やり続ける」という覚悟が必要なのです。

最後にもう一度講座を振り返り、まとめます。
・組織としての継続したコミュニケーション活動が不可欠です
・(個人ではなく)組織全体として利害関係者との関係を築く
そのために
・戦略を設計し、計画を立てなければなりません
つまり
・組織としてのコミュニケーション能力が問われる
・組織全体に「広報文化」を定着させる
・(広報文化を)実現できる体制とシステムを構築する
・(広報文化の定着を推進する)広報担当者に専門スキルを習得させる
・(広報とは)経営における基礎体力づくりだから地道に続ける

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