「広報人倶楽部」伴走プログラム ⑴ ヒアリング

まず、貴社がどんな状態でどんな状況に置かれているのか。現状を把握し、共有いたします。貴社にとって大切なステークホルダー(利害関係者)は貴社とともに価値を提供する仲間でもあります。彼らを知ることは、自らを知ることにもつながります。

2週間に1回、合計4回にわたり、経営者と担当者にヒアリングいたします。

第1、2回のヒアリングをもとに「広報人倶楽部・現状把握シート」の各シートに、貴社の現状をご記入いただきます。それぞれ次回ヒアリングまでにご提出をお願いいたします。

第3、4回のヒアリングをもとにニュースルームのカテゴリーを設定し、広報戦略と広報活動計画を策定いたします。

◆第1回(ヒアリング1時間) :わが社の「今」を知る

1.利害関係者を知る

社員、顧客など、自社を取り巻く関係者たちを分類いたします。

その上で、メールアドレスや連絡先(所在地など)を整備いたします。それぞれの利害関係者と直接交流している部署から情報を収集してください。

全ての利害関係者たちと、いつでもコミュニケーションできる状態を確立することが大切です。災害や事故・事件などに直面した際でも、迅速に情報を伝達できるかが企業経営や企業価値に影響を及ぼすためです。

メールアドレスは、ニュースルームの「メールアラート登録者」に一括登録いたしましょう。

2.利害関係者と向き合う

分類した利害関係者たちと、現時点でどのようなコミュニケーションをしているのか。「見る・聞く」という側面と、「伝える」という側面と両面から情報の受発信に関する現状を把握いたします。現在、利害関係者とどう向き合っているのかを知ることが、わが社の「今」を知ることにつながります。

◆第2回(ヒアリング1時間) :わが社の「人格」を決める

3.経営理念・ビジョンを確認する

貴社は、どのような経営理念やビジョンを掲げていますか。貴社の日々の営みは、全てがビジョンを実現するために行われています。

どんな思いを込めているのか。どういう経緯で決定するに至ったのか。理由や思いなどを文章で明らかにし、記録することはその実現のためには欠かせません。明文化されていない場合は、この機会に執筆するなどして、ニュースルームに掲載し、公開いたしましょう。

貴社はそれぞれの利害関係者たちから、どんな会社だと理解されることを望んでいますでしょうか。対して、現時点ではどんな会社だと思われているのでしょうか。どう理解されているのでしょうか。現状と理想が乖離しているのであれば、行動そのものと発信する情報によって、一歩ずつ理想に近づけていく取り組みが欠かせません。

◆第3回(ヒアリング1時間) :わが社の「魅力」を知る

4.わが社の「舞台裏」を明らかにする

貴社の魅力とは何でしょうか。

企業の魅力については、「公式 広報人倶楽部 NewsRoom」のカテゴリー「荒木洋二のPRコラム」で詳しく説明しています。以下、ご一読くださればと存じます。

第20回:企業の魅力って何?(1)

第21回:企業の魅力って何?(2)

コラムでも述べているとおり、企業経営の「舞台裏」は魅力の宝庫です。「舞台裏」とは、それぞれの利害関係者たちの体験そのものです。どんな経緯や理由があり、わが社と関わるようになったのか。わが社と関わり、どんな体験をしたのか。それぞれの「小さな物語」こそ、わが社の魅力に他なりません。「小さな物語」の集合体、総和が貴社のブランドを形作ります。彼らの日々の営みにスポットライトを当てて、見えない魅力を浮き彫りにしましょう。

具体的には、ニュースルームにおけるカテゴリー案を列挙いたします。

◆第4回(ミーティング1時間):わが社の「魅力」を伝える

5.広報PR戦略を立案(3年間)

今までの現状把握を通して、次の四つが明らかになりました。

・どんな経営理念・ビジョンを掲げているのか。

・どんな利害関係者から選ばれたいのか。

・どんな会社だと理解されてたいのか。

・わが社にどんな魅力があるのか。

では、理想とする姿に向かい、わが社の魅力をどう伝えていくのか。中期(3年間)戦略を立案するところから始めましょう。

やりたいこと、やるべきことは多岐にわたります。ただし、限られたリソース(経営資源)で、短期間で実現するには少々無理があります。時間をかけ、段階的に活動の幅を広げ、質を深めていくしかありません。

・どんな体制で取り組むのか(社内人材、外部スタッフ、業務委託など)。

・どんなコンテンツを伝えるのか(カテゴリーの拡充)。

・どうやって表現するのか(動画、音声、画像、文章)。

・どんな手段で伝えるのか(ニュースルーム、SNS、印刷媒体)。

上記四つの分野で大枠の目標を設定いたします。大枠の戦略ですから、もちろん、社内外の状況の変化に応じて、変えるべきところがあれば、変えていきましょう。

6.広報PRの年間活動計画を立案

中期戦略を策定した上で、広報PRの年間活動計画を立案いたします。年間の事業計画と照らし合わせながら、「見る・聞く」と「伝える」という両面から毎月の活動内容を決定いたします。予想外に発生することや、直面したことがあれば、柔軟に活動に反映させていきましょう。

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