中級講座 Ⅰ.理論・基礎知識 経営と広報 リスク・コミュニケーション 〜クライシス・コミュニケーションとは〜

こんにちは、荒木洋二です。

中級講座「I.理論・基礎知識編」における最後のコース「経営と広報」について解説します。12回にわたり解説してきた「経営と広報」、今回が最後の講座です。

今回も「経営と広報」の「3.リスク・コミュニケーション」です。

前回は「②リスク・コミュニケーションとは」の解説でした。今回は次のスライドに記載のとおり、最後の「③クライシス・コミュニケーションとは」を解説します。

③クライシス・コミュニケーションとは

クライシス・コミュニケーションとは、危機が発生した際に社会全体、より具体的に言えば利害関係者に対して情報を開示し、説明責任を行うことです。

企業・組織は社会的な責任として緊急時、つまり事件・事故・災害の発生時には迅速かつ適切な行動が問われます。これがクライシスコミュニケーションの要諦です。

日本語では「危機管理広報」と言います。

緊急時、災害発生時に求められる、事故・事件発生時に求められる情報開示と説明責任の要点は次のスライドに記載した五つです。

この五つが、緊急時に問われる企業・組織の情報開示と説明責任の「肝」です。

・誰に伝えるのか

では、緊急時の際に誰に伝えればいいのでしょうか。企業・組織を取り巻く全ての利害関係者です。個々の利害関係者に自ら直接伝えるのです。事件・事故であれば、その性質によってはさらに波及して社会全体に伝える必要があります。そのためには記者会見を開き、報道関係者の力を借りる必要があります。

第一義としては利害関係者に自ら直接伝えなければなりません。つまり平時、日常のコミュニケーション活動が問われます。どんな体制でどんな活動実態だったかということが、この有事、緊急時に問われるということです。日頃から個々の利害関係者と向き合い、丁寧なコミュニケーションを行っていたのか。そのことが問われます。

・何をどう伝えるのか

では、緊急時に何をどう伝えればいいのでしょうか。

企業・組織としてポジションペーパーを作成することです。ポジションペーパーとは、ある問題が発生した場合、事実関係を客観的に示す文書のことです。ここでも重要なのが「事実(ファクト)」です。広報では常に事実が大事なのです。

ポジションペーパーは、一般的には「統一見解」「公式見解」「声明文」と呼ばれています。

基本はプレスリリース(報道関係者向け発表資料)と同じです。5W3Hを抜け漏れなく明記します。

なぜかというと、口頭の言葉、表現による誤解を防ぐためです。説明責任を果たすことが目的なので、事実をちゃんと文章にします。誤解を与えないように公式見解として、しっかり記載していくことが大事です。

危機管理広報は、それだけでかなり内容も深いですし、押さえるべき手順などが多岐にわたります。今後、特別講座として「危機管理広報」を開講する計画があります。詳細は同講座で解説する予定です。

中級講座「I.理論・基礎知識編」における最後のコース「経営と広報」を12回にわたり解説しました。

中級講座「I.理論・基礎知識編」は今回で終了です。

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