Weekly Digest 先週の記事まとめ

4月21日、製菓大手の三幸製菓(新潟県新潟市)が約2カ月ぶりに情報公開しました。「生産再開に向けた取り組み状況について」と題して、同社代表取締役CEOの佐藤元保氏の名前で3枚にわたり現状を説明しています。全工場の稼働を停止していましたが、5月中旬より順次再開することも記されていました。
約2カ月前の2月25日、同氏の名前で公表したのは「当社荒川工場における火災発生についてのお詫び及び当社の対応について」であり、同じく3ページにわたるものでした。

今回の同社の事故を簡単に振り返ってみます。2月11日23時50分頃、同社の荒川工場(新潟県村上市)で火災が発生、翌12日11時10分頃、消火活動により鎮火しました。深夜の清掃スタッフである高齢者4人と20代の社員2人、合計6人が火災により犠牲となりました。荒川工場では、いずれも人的被害はなかったものの1988年から2019年までに計8件の軽微な火災が発生していました。
村上市の消防本部は3年に一度、荒川工場に防火のための立ち入り調査に入っていました。直近では2020年9月に実施しました。その調査では、自動火災報知機や避難誘導灯の作動不良、消火器の設置場所不良、屋外消火栓設備のホースの耐圧性能切れなど、多数の不備があったといいます。その後、三幸製菓から改修されたとの報告を受けたといいます。規則上、報告のみで消防本部は再度確認はしていません。

同社ウェブサイトは火災後、14日からアクセス集中との理由で今回の経緯の情報公開のみが記されています。企業の社会的責任の「一丁目一番地」は情報開示と説明責任です。情報開示とはディスクロージャーといい、隠せさないことが基本です。説明責任とは相手が分かるように、理解し納得を得られるように丁寧に説明することです。
昨年のみずほフィナンシャルグループのシステム障害に関する情報開示を思い出しました。全部で160ページほどでした。長ければいいというわけではないし、規模の違いがあるとはいえ、同社の情報開示と説明責任は不十分極まりないといえます。今回の前回もわずか3ページ。事故の直接的な原因に触れてはいるものの、その根本にある原因までは踏み込めていません。

工場再開後、同社がどういう姿勢で情報開示と説明責任に取り組むのか。今後も注視したいと思います。

先週、NewsRoomに投稿した記事をまとめてご紹介します。


4月18日(月) 荒木洋二のPRコラム
広報PRコラム#73 パブリシティの未来(7)


4月20日(水) 荒木洋二のPRコラム
聴くコラム パブリシティの未来(7)


4月22日(金) 図解と文字で学ぶ! 超解説「広報人 eラーニング」
初級講座「Ⅲ.実務能力編」 広報基本4媒体の作り方と使い方 各媒体の作り方と使い方


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