Weekly Digest 先週を振り返る

8月30日(火)の夜、都内(銀座一丁目)でセミナーに参加しました。NPO法人日本リスクマネジャー&コンサルタント協会(略称:RMCA)主催の第116回東京オープンセミナー、タイトルは「企業のSNSリスク対策~SNSリスクから企業と社員を守るために~」。講師は特定社会保険労務士の毎熊典子氏でした。毎熊氏はRMCAの評議員であり、認定講師、上級リスクコンサルタントの資格も取得しています。広報にも造詣が深く、日本広報学会の会員でもあります。

SNSとは、ソーシャルネットワーキングサービスの略で、日本語では一般的に「会員制交流サイト」と訳されます。狭義のソーシャルメディアともいわれています。利用者の増加に伴い、さまざまなSNSサービスを公式に開設している企業も増えています。
当日会場には30人近いビジネスパーソンが集い、会場はほぼ満席でした。セミナーで語られたことは、非常に整理されているだけでなく、企業の広報担当者が知っておくべき重要な知識ばかりでした。意義と特性に始まり、SNS利用に伴い企業にとってどんなリスクがあるのか、ネットトラブルが企業にどれほど重大な影響を及ぼすのか、豊富な実例を示しながら解説していたので、かなりの説得力がありました。参加者にとって、自らの組織がどんな危機意識を備えるべきなのかが明らかになったに違いありません。

とかく広報やマーケティングの担当者は、企業社会全体の雰囲気に押され、即効性を求め、公式SNSを安易に開設し、戦略がないままに情報を発信している傾向が強いのでは、と見ています。そのような企業では、リスクが顕在化する可能性が高いことは経営者や広報担当であれば、誰でも分かるでしょう。
セミナーでは、ただいたずらに危機を煽ったわけではありません。ネットトラブルを防ぐにはどんな社内体制を整備すべきなのか、万が一トラブルが発生した場合にはどう対応すればいいのか、ということまで踏み込んでいました。法律の専門家としての知識を盛り込みつつ、広報の重要性についても言及していました。一人一人の情報リテラシーが、どれほど大切なのかを改めて確認できました。

SNSは情報を伝える手段に過ぎません。流行をただ追いかけ、リスクに目を向けず、戦略がないままに取り組んでも意味がありません。安易で刹那的な行動は、企業の成長を阻み、信頼を損なわせる機会にしかなりません。何を目的とし、誰に何をどうやって伝えるのか。基本を見失ってはならないと再確認できた貴重な時間でした。

先週、NewsRoomに投稿した記事をまとめてご紹介します。


8月29日(月) 荒木洋二のPRコラム
【過去の人気コラム】#12 広報と広告って何が違うの?(2)


8月31日(水) 聴くPRコラム
【過去の人気コラム】聴くコラム ブランディングの鍵は「舞台裏」にあり(4)


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