【ポッドキャスト #26】ブランディングって何? 会社の魅力を相手の心に「焼き印」せよ!
企業の魅力は、「人的」「財務的」「商品的」の三つ(各12のファクト・活動)に分類できます。昨年の生活者1万人に対する調査結果では、トップ5は人的魅力が占めています。企業の実力より、人柄の方に心が引かれる、ということです。何を伝え、どんな価値をつくるのか。掘り下げています。
企業ブランディングとは、自社の魅力をステークホルダーの「心」に焼き印すること
荒木: 皆さん、おはようございます。
濱口: おはようございます。
荒木: 今日は6月19日、今日も朝から元気に『広報オタ俱楽部』を始めていきたいと思います。
『広報オタ倶楽部』は、本来の広報、企業広報の在り方を広めるべく、28年以上にわたって企業広報活動を支援してきた私、荒木洋二による「オタク」目線で語る広報の哲学ラジオです。聞き手は・・・
濱口: 「まな弟子」の濱口ちあきです。
荒木: 「まな弟子」です!
濱口: 珍しく、(自分で「まな弟子」というのが)ちょっと恥ずかしくなりました。
荒木: 毎回、確認すると恥ずかしいよね。
今日は6月19日なので、実はちょうど本日で、『広報オタクラブ』の#0回を放送した昨年12月19日から、丸半年が経ちました。
濱口: 素晴らしい~!
荒木: よく続きましたね。
濱口: 本当に、よく続いていますよね。毎週、やっぱり楽しいですね。
荒木: (半年続いていることが)うれしいな、と思いますね。
今日も「ニュースルーム」の話を続けていきますが、併せて、濱口さんが普段、広報について周囲のかたがたと話す中で、特に中小企業のかたがたと接する機会も多いと思うんだよね。そういった場面で、どのような声を聞くことが多いのかな。(以前も少し触れましたが)改めて、日頃どんなことを感じながら、(中小企業のかたがたに広報の)話をしているのかな。
企業社会で市民権を得た「マーケティング」と「ブランディング」
濱口: やっぱり「広報」とか「PR」っていう言葉が、まだまだ曖昧なまま使われていると感じることが多いんですよね。
最近ありがたいことに、「広報やPRって、そもそも何なんですか?」と聞いていただく機会が増えてきました。でも、それに対して「こういうことなんですよ」と説明すると、今度は「それってマーケティングのことですか?」と返されることがあります。そう言われると、日本マーケティング協会も、最近はすごく広報寄りのことを発信しているので(2024年、日本マーケティング協会がマーケティングの定義を刷新)、「いえ、(広報やPRは)マーケティングとは違うんです」とも言いづらくなってきているんですよね。
私もまだまだ力不足で、そこについて「納得してもらえるような説明が十分にできていないな」と感じることが最近は増えたように思います。ブランディングに関しても、同じようなもどかしさがあります。
荒木: そうだよね。10年くらい前からだと思うんだけど、中小企業や立ち上げ間もない企業の経営者と会うと、「ブランディング」という言葉を、日常の会話の中で割と普通に使うようになっている。
例えば、「うちの会社をブランディングしたいんだよね」といった話を、経営者の人たちから日常的によく耳にするようになったね。
濱口: そうですね。
荒木: そういうとき、ちょっと意地悪かもしれないけど、「ブランディングって、どういう意味で使っていますか」とか、「どういうことをブランディングだと思ってやっているんですか」と、つい聞いてしまうんだよね。
濱口: それは、意地悪ですね。
荒木: 意地悪なんだけどね。そうすると、なかなか明確に答えられないことが多い。話を聞いていると、「知名度を上げたいのかな」とか、「有名になりたいのかな」「ロゴやウェブサイトをかっこよく作りたいと思っているのかな」といった感じで、良い印象を抱かせるため(他の言葉でも置き換えられる)といった意味合いで使われていることが多い。
だから、「ブランディング」という言葉自体の意味が、あまり明確になっていない印象を受けるんだよね。
濱口: そうですね。(「ブランディング」という言葉の意味合いが)仮に合っていたとしても、それはブランディングの一要素にすぎないことが多いんですよね。中には、完全に的外れなケースもありますしね。
荒木: マーケティングも同様で、理解しないまま使われているケースが結構あるよね。もちろん、正しく理解して使っている人もいるけれど、そうでない場合も多く、言葉だけが独り歩きしてしまっている印象を受ける。
良く言えば、みんなに広く使われるようになって市民権を得たとも言えるんだけどね。実際には、まだちゃんと理解されていないな、と感じることが多い。
広報とかPRも、同じようなところがあると思う。こうした言葉の意味をちゃんと整理するのは、やはり難しさを感じるよね。
濱口: 難しいですね。(人によって)さまざまな解釈が生まれてしまっている分、なおさら・・・(整理が難しくなっていますよね)。
荒木: (広報PRについて)いろいろと研究したり、自分なりに考えを深めたりしていく中で、「ブランド」という言葉に行き着くようになった。濱口さんは、「ブランド」の語源を知っているかな。
語源は「家畜の焼き印」 「燃える・燃やす」という意味も
濱口: 分かります! ブランドの語源は、「家畜の焼き印」です。
荒木: そうですね。「夜勤」じゃなくて、「焼き印」ね。
元々、「ブランド」という言葉は、ヨーロッパの古代ノルド語「brandr(ブランドル)」に由来しているんだ。その意味は、濱口さんが言ったように「家畜の焼き印」なんだよね。
酪農家にとって、自分の家畜か隣の酪農家の家畜かは、見た目だけではなかなか判別できない。「愛情を持っていれば見分けられる」と言う人もいるかもしれないけれど、現実には家畜の数も多いからね。だから、焼き印によって「これは自分の家畜です」とはっきり示す必要があったわけだよ。
濱口: 他の人が見ても分かるように、ということですよね。
荒木: その通り。つまり、「識別する」ということが目的なんだよね。見ただけで明らかに分かるようにする、ちゃんと他の人から見ても区別が付けられるようにする。いわゆる「家紋」のような意味合いで、焼き印が使われていた。これが「ブランド」の始まりだといわれている。
だから、企業の「ロゴ」も同じような意味合いがあると思う。例えば、トヨタ自動車のロゴを見れば、一目で「トヨタだ!」と分かる。そういう意味では、ロゴも「焼き印」のようなものだと感じる。
ただ、広報を深く学んでいく中で、ふと疑問に思ったことがある。「ブランディングって、何だろう」「マーケティングって、何なんだろう」。そんなふうに思って、日本語に直して改めて言葉の意味を問い直したくなったんだよね。
濱口: いいですね。
荒木: 「ブランド」の語源は「家畜の焼き印」という説と、もう一つの説として
「burn(燃える・燃やす)」もある。確かに、焼き印をするには、熱して、「ジューッ」と押し付けないと跡は残らない。そう考えると、(焼き印の)語源ともつながる部分があると思う。
要は、企業の商品そのものではなく、中小企業の経営者が「自社のブランディングをしたい」と言うように、会社そのものをブランディングする、と考えた場合、「企業のブランド」や「企業のブランディング」とは、どういうことなんだろう。
そもそも、「ブランド」の語源が「焼き印」だとすれば、「じゃあ、何に・どこに焼き印を押すのか」、そうした観点が必要になった。そして、私たち(当社)が出した結論(一つの定義)は、「自分の会社の魅力を、相手の『心』に焼き印する」ということ。
その「相手」というのは、これまで『広報オタ倶楽部』でも何度も話してきたように、目の前にいる「ステークホルダー」のことだよね。つまり、ブランディングとは、自分たちの会社の魅力を、目の前のステークホルダーの心に、しっかりと焼き印すること。
そして、「魅力」とは何か。そこを分解していくことができる。
魅力度ブランディングモデルと魅力度ブランディング調査
荒木: 電通の子会社に、電通PRコンサルティングというPR会社がある。同社の中には企業広報戦略研究所というシンクタンクがあって、そこでは(ありがたいことに)さまざまな調査や分析モデルを開発してくれているんだよ。
例えば、今から9年前(2016年)に「魅力度ブランディングモデル」を構築して、毎年「魅力度ブランディング調査」を行っている。「魅力度ブランディングモデル」は、企業の魅力には三つの領域があるとしている。
一つ目は「人的魅力」、二つ目は「財務的魅力」、三つ目は「商品的魅力」。この三つに分けて考えられている。そして、それぞれの魅力について、12の具体的なファクトや活動が、ちゃんと言葉で示されているんだよね。
この調査は、生活者1万人を対象に、「企業のどこに魅力を感じますか?」という、さまざまな質問を通して調査をしてくれているんだ。調査の対象となる企業は、大企業(外資系企業を含む)で、1業種につき20社、合計10業種・ 200社。それぞれの企業について、「どこに魅力を感じたか」を調査し、その結果を毎年発表している。
そういう意味では、「魅力を焼き印する」という中で、人的魅力があり、財務的魅力があり、商品的魅力もあるんだな、ということも見えてくるよね。
一方、「ブランド」は企業経営の中でとても重要な意味を持っていて、ブランドに関する教科書や書籍もたくさん出ている。その中で必ず共通していわれているのが、「ブランドには二つの側面がある」ということ。これについては、今まで何回か話しているかもしれないね。
濱口: 荒木さんの言葉で言うところの「表舞台」と「舞台裏」ですね。
荒木: さすが! その通りですね。
濱口: やった~。「まな弟子らしさ」が出せましたね。
荒木: 「まな弟子らしさ」が出ましたね。即答!
それを難しい言葉で言うと、ブランドには「機能的な側面」と「情緒的(感情的)な側面」がある。この両方があって初めてブランドになる。
価値は、相手に伝わって、相手がそう思ってくれて初めて価値になる。だけど、機能的な価値と情緒的な価値、その両方がそろっていないと、ブランドとは言わない。
そこで、さっき話した「人的魅力」「財務的魅力」「商品的魅力」の36項目(三つの魅力それぞれに12の具体的なファクトや活動がある)を私が分析したところ、情緒的な価値、つまり感情的な魅力が19個ぐらいあって、機能的な価値が17個ぐらいあったんだよね。
だから、「魅力」と言っているけれど、これは、機能と感情(感性や情緒)の二つに、ちょうど分けられるんだな、ということが分かった。私はそれを、「表舞台」と「舞台裏」という言い方をしているんだよね。それで、「なるほど」と納得したし、「やっぱりどちらも必要なんだんだな」と思った。
でも、実際に調査結果を見てみると、生活者がどこにより強く魅力を感じているのかが、これまた興味深かった。去年(2024年)、11月に発表された調査では、魅力のトップ5が全部「人的魅力」だったんだよ。
濱口: 意外な結果ですね。
企業の実力(機能)と人柄(感情・情緒)、いずれも大切
荒木: それまでは、トップ5のうち四つが「人的魅力」で、残りの一つは「商品的魅力」が入っていたんだよね。だいたい4年くらい連続でそんな傾向が続いていたんだ。
でも今回は、トップ5全てが「人的魅力」だった。
濱口: すごい変化ですね。
荒木: (「人的魅力」について)言葉を見ていくと、「こだわり」とか「挑戦」、「情熱」、そういった類いの言葉が多く入っている。やっぱり、そういう部分に人は魅力を感じるんだな、ということが分かっている。
もちろん「実力」も大事なんだけど、それだけじゃない。「表舞台」と「舞台裏」って、簡単にいえば「実力」と「人柄」みたいなもの。やっぱり、そのどちらも大事だという話だよね。
濱口: そうですね。いくら実力があっても、中身が「詐欺師」みたいな人だったら嫌ですよね。
荒木: 嫌だよね。だからやっぱり、人柄って大事なんだよね。
そう考えると、企業を見るときも同じで、やっぱり「人的魅力」、つまり人柄の部分を見ているんだと思う。例えば、「チャレンジスピリットを持っている経営者がいる」とか、「強いこだわりを持っている」とか、「挑戦している」とか、そういうところに、私たち生活者は魅力を感じている、ということが分かった。
だから、実力だけでは駄目なんだよね。もちろん実力は大事。でもそれだけではなくて、人柄も同じくらい大切。それが改めて分かってきた。
それから、山口周 著『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』(光文社新書 刊) という本がある。そこにも興味深いことが書かれていた。この本は、山口さんにとって7冊目の著書で、ベストセラーにもなったんだ。彼は今、独立研究者であり著作家として活動している。
濱口: タイトルからして面白そうですね。
荒木: 同書の中で山口氏は、「今や、機能で差別化することは難しい」と語っている。というのも、どの製品やサービスも同質化・均一化、英語でいえば「コモディティ化」が進んでいる。つまり、どれも似たり寄ったりになってしまっているから、差別化することが難しい時代を迎えているという。圧倒的なトップ企業でない限りは、そこでは勝負できない。
では、どうすればいいのか? それに対して山口氏は、「情緒」や「感情」、「感性」といった側面で差別化するしかないと述べている。言い換えると、「どうやって人柄の部分で勝負するのか」ということ。
同書は、ちょうどコロナ前に話題になった本で、私はこれを読んで、とても納得させられたんだよね。
また、(以前にも話したかもしれないけれど)ヨーロッパのラグジュアリーブランド(高級有名ブランド)を研究している、早稲田大学(商学学術院 大学院経営管理研究科)の長沢 伸也 教授がいる。彼は、どうして日本とヨーロッパでは、同じように長く続いている企業の中で、商品の価格帯や人々のまなざし、評価のされ方がこれほど違うのか。その理由を研究したんだよね。
そこで分かったのが、「感性」なんだ。これは、前述の「感情」と同じで、「理性」ではないんだよ。ヨーロッパのブランドは、感性や感情の部分に向けてずっと伝え続けてきたということ。
長沢教授は、それ(伝え続けてきたもの)を「経営資源」とか「ブランド資源」という言い方で整理していて、四つあると述べている。この話、濱口さんには伝えたことがあったかな。
ブランド4要素とは「歴史」「土地」「人物」「技術」
濱口: はい、そのお話も覚えています。経営資源の四つは、一つ目が「歴史」、二つ目が「土地」、三つ目が「人の思い」や「感情」、それから四つ目が「技術」。
荒木: さすがだね! その順番も合っている。
濱口: このお話、めちゃくちゃ面白くて、いろいろな人にしているんですよ。
荒木: そうなんだね。
経営資源の四つの要素は、「歴史」「土地」「人物」「技術」であると述べられている。「技術」や「人物」というのは、やっぱり「こだわり」と「情熱」が込められている。「歴史」は、長く続いているという「正当性」がある。「ちゃんとこの場所でずっとやってきて、評価されている」という背景がある。「土地」にも同様の意味合いがある。
ラグジュアリーブランドは、それらをずっと伝え続けてきているんだよね。創業者だけではなく、伝説的なデザイナーや職人、技術者にもちゃんとスポットライトを当てて、その人たちが有名になることもある。それだけ、自分たちにとって何が「経営資源」で、何が「ブランドをつくる要素」なのかを、ちゃんと理解しているんだよね。そしてそれを、ずっと発信し続けている。
そう考えると、「ブランド」とか「ブランディング」という言葉は、「情報」と密接に結びついている。しかも、ただ機能的なことを伝えるだけではなくて、感情的・情緒的な側面の情報も伝えていく。いわゆる「舞台裏」の情報として、「日々何が起きているのか」「何を感じているのか」、そうした情報も伝えていく。それが、実はブランディングにつながる、ということが分かってきたんだ。
いろいろな本などを読んでいると、表現の仕方はそれぞれ違うけれど、やっぱり共通している部分がたくさんある。それを見ていくと、「ブランディングって、そもそもどういう意味なのか」ということが、だいぶ腹落ちしてくるんだよ。
そういう意味でいうと、「ニュースルーム」って、すごく大事な役割を持っていると思う。もちろん、ニュースリリースとか、企業のコーポレートサイトにある会社概要、あるいは決算書に載っている財務情報などは、機能的な実力を表すもの。数字でしっかり会社の実力を示す、という意味では、とても重要な情報。
だけど、それだけではない感情的・情緒的な人柄の部分を表して、ためていけるのが「ニュースルーム」なんだよね。
昔は大企業が、紙媒体(印刷媒体)で社内報や「お客さまの声」などを積み上げてきた。でも今の時代において、目の前にいるステークホルダーたちが感じている感情を、言葉や映像に残して、それを蓄積できる場所が、「ニュースルーム」なんだと思う。そう考えると、「ニュースルーム」は、(ただ、情報を発信するだけの場所ではなく)ちゃんとブランディングにつながっているんだ、ということが分かるよね。
ニュースルームには企業の人格が表れる
濱口: (ニュースルームには)人的な部分(感情・情緒的な人柄の部分)も全部、入っていますもんね。
荒木: おっしゃる通り。人的な要素も入っているし、当然、ニュースリリースを含めて、いろいろな事実や実績を伝えていく中には、機能的な側面もちゃんと入ってくる。だからこそ、「ニュースルーム」って、まさしくブランディングを引っ張っていく存在になっていくんじゃないかと思うんだよね。
「何がブランディングなのか」「何がブランドなのか」ということを、一つ一つ丁寧に(言葉を)日本語に直して、分解して、さまざまな人たちの言っていることをつなぎ合わせていくと、意外と共通しているところが見えてくる。そして、そのように見ていくと、「ニュースルームって、まさにブランディングのためにあるんだな」と、だんだん分かるようになる。
だからこそ、企業の規模に関係なく、自分たちの感情的な側面の情報も、もっと熱心に発信していくべきなんだと思う。もちろん、商品の情報も発信しないと、誰にも伝わらないから、ちゃんと理解してもらう必要はある。
でも、それだけではなくて、そこに関わっている人たちの情報もちゃんと言葉にして、映像にして、ちゃんと発信していきましょう、ということなんだよね。
というところで、ちょうど放送終了時間の20分が経つので、今回はここまでになりますね。
次回は、この流れを受けて、「マーケティングとブランディングの守備範囲は、どう違うのか」というところを独自の視点で整理してみたいと思います。日本語で分かりやすく言葉を分けながら、密接に結びついているこの二つが、実際にはどんな役割の違いを持っているのか。そのあたりを次回はお伝えしていきます。
濱口: 楽しみです。
荒木: 皆さん、6月19日で『広報オタ俱楽部』も無事に半年が経ちました。これからもさらに頑張って、皆さんにとって役に立つ、そして楽しんでいただける面白い話をお届けしていきたいと思っています。
「広報って深いんだな」と感じていただけたり、「自分の会社にも(広報が)必要だな」と思っていただけたりするような内容を、濱口さんと一緒に発信し続けていきたいと思っています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
濱口: ぜひ、よろしくお願いします。
荒木: 皆さん、いってらっしゃい
濱口: いってらっしゃい。