【ポッドキャスト #89】採用広報の「最初のリスナー」は、社員である

リクライブ編集長の二宮翔平さんを約1年ぶりに迎えます。
採用広報の相手を求職者から「社員ファースト」へ切り替えた理由とは。
社内の反応や経営者の言語化、ポッドキャストの特性から、まず目の前の人に届ける広報を考えます。
音声(番組)は以下より聴取できます。
・ポッドキャスト:#89
・Spotify:#89
以下、テキスト版です。ぜひご一読ください。
『広報オタ倶楽部』初となる2回目のゲストとして、リクライブ編集長の二宮翔平さんを迎えました。
前回の出演から約1年。採用広報や企業ポッドキャストの現場で実践を続ける中で、二宮さん自身の考え方にも大きな変化があったといいます。
◆採用広報の「最初のリスナー」は誰か
荒木
二宮さんは、相手がどう動くのかまで見ながら企画を考えている印象があります。
この1年で、何か新しく気付いたことはありますか。
二宮
かなり大きな気付きがあります。
採用広報で、「ファーストリスナーは誰なのか」ということです。
以前は、求職者や就活生にどう届けるかを中心に考えていました。
でも今は、完全に「社員ファースト」に切り替えています。
今つくっている番組も、採用サイトも、まず社員が見るものとして考えています。
荒木
求職者より先に、社員なんですね。
二宮
そうです。
社員が面白いと思えないものは、作ってはいけない。
そこまで考え方が変わりました。
◆社員が白ける情報は、外にも届かない
二宮
きっかけの一つは、ある企業の採用向けInstagramでした。
採用担当者は「社員は会社のことを知っているから、見なくていい」と考えていたんです。
でも、求職者は将来の社員になる人ですよね。
今働いている社員が見て、「これは面白くない」「ちょっと寒い」と感じるものを、未来の社員だけが面白いと思うのか。
そこに違和感を持ちました。
濱口
採用担当者からすると、求職者に会社の魅力を説明したいという意識が強いんでしょうか。
二宮
そうですね。
「福利厚生が充実しています」とか、「会社の魅力を紹介します」とか。
伝えなければいけないという義務感が強くなって、きれいなことだけを言おうとしてしまう。
でも社員からすると、「そんなの知っているよ」「実際はそんなに単純じゃないよ」と感じることがあります。
社内に届かない情報は、結局外にも届かないんじゃないかと思うんです。
荒木
会社を実際に知っている社員が共感できない情報を、まだ会社を知らない人に届けようとしている。
そこには確かに無理がありますね。
◆経営者が話すことで、会社の言葉が増えていく
二宮
ポッドキャストを続けていて、もう一つ分かったことがあります。
経営者が話し続けること自体に、大きな意味がある。
3年、4年と番組を続けていると、経営者自身の言語化がどんどん進むんです。
荒木
私自身も、この番組を続ける中でそう感じます。
最初の頃と比べれば、考えていることを言葉にする機会が圧倒的に増えました。
二宮
そうなんです。
番組をやっていて楽しい。
社員から反応がある。
そして、自分の考えが言葉になって蓄積していく。
この三つがあると、経営者も続けられる。
続ければ続けるほど、会社の中に情報が増えていきます。
◆ポッドキャストは、広げるより深く届く
濱口
ポッドキャストのイベントにも行かれていましたよね。
二宮
行きました。
今のポッドキャストは、動画でいうと、まだ個人が自分で番組をつくって、そこにファンが付いていく時代だと感じます。
今後は企業が本格的に取り組む番組も、もっと増えると思います。
一方で、ポッドキャストはSNSのように一気に拡散するメディアではありません。
荒木
確かに、毎週10番組も20番組も聞くのは難しいですよね。
二宮
そうなんです。
音声は時間を使います。
だから、たくさんの人に一気に広げるというより、好きな人が毎週しっかり聞く。
そういう媒体なんだと思います。
荒木
広く浅くというより、狭くても深くつながる。
社員を最初のリスナーと考えるなら、その特性はむしろ企業広報に合っているのかもしれません。
まず目の前にいる社員へ届ける。
そこから会社の言葉が蓄積され、外の人にも届いていく。
「社員ファースト」という二宮さんの気付きは、採用広報に限らず、企業の情報発信そのものを考え直す視点だと思います。

