中級講座 Ⅰ.理論・基礎知識 戦略設計と活動計画 戦略とは?/経営理念(1)

こんにちは、荒木洋二です。

今回も「戦略設計と活動計画」についての解説です。

1.戦略とは?

前回に続き、「1.戦略とは」の解説を進めます。前回は、そもそも戦略とは何かをひもときました。今回からは2回にわたって、「②経営理念」について説明します。

前回説明したことを改めて振り返ります。経営理念とは何でしょうか。経営理念、経営戦略、企業価値の三つの関係を明らかにしました。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: スライド2-1024x576.jpg

経営理念は「WHY」、 なぜの部分に当たります。企業・組織の在り方を規定するのが経営理念です。

その経営理念に基づき、経営戦略は立案されます。経営戦略とは、利害関係者との約束です。企業・組織とともに価値を生み出すのが利害関係者です。利害関係者こそ経営資源であると、初級講座「I.理論基礎知識編」で述べました。経営戦略とは、どう利害関係者と関わり、どうつながるのかを示しています。関わり方、つながり方を表しています。すなわち「HOW」の部分です。

経営理念に基づき、経営戦略が策定され、その戦略を実行していくことで、企業価値が生まれます。企業価値は「WHAT」の部分です。企業価値とは表れ方といえます。このような関係性があることを前回は明らかにしました。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: スライド1-1024x576.jpg

今回の講座では、「経営理念」を詳しく分解し、その成り立ちを詳説します。同義語として「企業理念」ともいいます。これに連なる概念として、価値観や行動指針、ビジョンがあります。

それぞれが一体どういう意味なのか。これから一つ一つ分かりやすい日本語に変えながら確認しましょう。

・経営理念

経営理念とは何か。経営理念とは、わが会社、わが組織はなぜ、何のために存在するのかという存在理由を定めたものです。存在目的、使命ともいえます。あるいは、当然こうでなくてはならないという在り方に関する根本の考えが経営理念です。

・価値観

次に価値観とは何でしょうか。組織で行動するものは、同じ価値観のもとに行動していくことが大切です。価値観とは、何に価値を認めるのかという価値に関する根本の考え方です。どう振る舞うのか、どう行動するのかという、振る舞いに関する根本の考え方や行動指針のことです。

・ビジョン

最後、ビジョンとは何でしょうか。ビジョンとは、こうありたいという目指す姿のことです。わが社、わが組織は、将来こうありたい、こんな状態になりたいという、目指す姿、未来のイメージのことをビジョンといいます。

最近、この三つを合わせて、「Mission(ミッション)」、「Vision(ビジョン)」、「Value(バリュー)」といいます。略して、MVVです。多くの企業がMVVを掲げています。

今回は、「1.戦略とは」の「②経営理念」をひもときました。次回は、実際の会社の具体的な例を挙げ、経営理念とは何かを深く理解していきましょう。

前の記事へ 次の記事へ