Weekly Digest 先週の記事まとめ

カタカナ・ビジネス用語について、コラムや当コーナーで何度も取り上げてきました。適切な日本語訳が見つからず、あえてそのまま使用している用語はあるでしょう。英語自体に深い意味が込められている場合、英語のままカタカナ表記にした方がいいのでしょう。そのことは理解できます。
しかし、実際は安易に流行の用語を思考停止のまま受け入れ、日常で使用していることの方が圧倒的に多いのではないでしょうか。

「エンゲージメント」もその一つです。日本経済新聞電子版でこの用語を検索したところ、かなりの記事が検索の網に引っ掛かりました。記事を読んでみますと、社員との関わりで使う場合、働きがい、愛着心、やる気などの訳語が括弧内に並記されていました。顧客との関わりの文脈では「強いつながり」でした。この場合、いずれも日本語で十分伝わるのではないでしょうか。
筆者が「エンゲージメント」という用語を初めて知ったのは、確か12、3年前だったと記憶しています。リスクマネジメントの専門人材を育成するNPO法人(略称:RMCA)の事務局長職を業務委託で請け負っていたころです。その頃、CSR(企業の社会的責任)が日本の企業社会で注目を浴びていました。その後、ほどなくして、2010年11月1日、ISO(国際標準化機構)は社会的責任に関する国際規格ISO26000を発行しました。そこで「ステークホルダー・エンゲージメント」という用語に初めて触れたのだと思います。同じく、「ステークホルダー・ダイアログ」という用語も登場していました。

企業の成長と存続にとって、利害関係者(=ステークホルダー)の存在は絶対に欠かせません。共に価値を生み出している仲間たちともいえます。「価値共創」とは、まさしくそんな大切な関係者たちのことを念頭にした言葉です。前述のステークホルダーに絡めた二つの用語も、要は利害関係者たちと向き合うことがどれほど大切かを伝えたものです。彼らの期待、要望、意見、関心をしっかりと知り、その上で同じ目線で対話することが企業の社会的責任だということです。
まずはいちいち日本語で理解してみること、そもそも何なのかを知ることを大事にしたいと思います。


先週、NewsRoomに投稿した記事をまとめてご紹介します。


1月17日(月) 荒木洋二のPRコラム
広報PRコラム#61 企業の魅力を考察する(1)


1月19日(水) 荒木洋二のPRコラム
聴くコラム 企業の魅力を考察する(1)


1月21日(金) 図解と文字で学ぶ! 超解説「広報人 eラーニング」
中級講座 Ⅰ.理論・基礎知識 経営と広報 リスクマネジメントの基礎 〜リスクマネジメントとは(1)〜


前の記事へ 次の記事へ