Weekly Essay 美意識と感性

年始の休暇期間、2冊の書籍を読みました。1冊は『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(山口周著、光文社)。もう1冊は『カルティエ 最強のブランド創造経営』(長沢伸也編著、杉本香七著、東洋経済新報社)。両書を読もうとしたきっかけがありました。

前掲の書籍は、いつ購入したのか、なぜ購入したのかは記憶が定かではありません。ただ、購入後、すぐには読み始めませんでした。
昨年12月、「企業を右脳で表現する」を標ぼうする経営者と出会いました。彼の会社は若手の国内外アーティストとつながりがあり、企業理念・ビジョンをアーティストに絵画として表現させます。経営者から詳細をヒアリングの上、キュレーターが適したアーティストを選定します。2社の実例を見せてもらい、その成果も聞きました。筆者自身はアートに関する造詣もありませんが、感性を刺激されました。企業経営、特にブランディングには欠かせないと得心しました。この出会いがきっかけとなり、書棚にあった本を手に取り、年始に読むことを決めました。

後掲の書籍は、出版社の一言がきっかけで購入しました。筆者は今春、初めての商業出版を控えています。昨年は多くの時間を割き、その執筆に当たりました。昨年10月下旬、10万文字の原稿を出版社に提出したところ、先方から要望されたのは、有名ブランドの事例を盛り込んでほしい、というものでした。検索し、同書を探し当て、年末に購入しました。
同書では、欧州の有名ブランド(「ラグジュアリーブランド」という)は、企業の歴史、土地、人物、技術を伝え続けることでブランドを確立したことを豊富な事例で示しています。感性的価値の重要性を伝えるものでした。

今年は今までほぼ無縁だったといえる、美意識と感性に焦点を当てたい、と感じた年始でした。


1月9日(月) 荒木洋二のPRコラム
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