Weekly Essay 弱いつながりの強さ

2023年、成人の日をはさみ、きょうから実質的に仕事が始まった人も多いのではないでしょうか。筆者にとって、2022年は今までのビジネスライフで最も多くの経営者たちと出会い、交流を深めることができた、実に有意義な1年間でした。前年の2021年はコロナ禍の状況もあって、オンラインで一度出会ったきりで終わってしまうことがほとんどでした。

その反省も踏まえ、当社は3月から経営者コミュニティ「情熱先生」の運営を実験的に始めました。私は「社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)」に長らく関心を抱いています。その一角を成す「弱いつながりの強さ」という経営理論は実に興味深いし、最も探究したい領域の一つです。経営者コミュニティが「弱いつながりの強さ」を体現する場として、機能することを期待して運営を続けました。オンラインで一度会うだけにとどまらず、あらゆる機会を活用してリアルで会うことを心がけました。しかも極力オンラインでの初対面の際、「どんな経緯でどんな理由があって起業したのか」「なぜ、今の仕事を始めたのか」など、個々人の「舞台裏」を傾聴することに努めました。私自身も初対面の経営者たちに自らの「舞台裏」を「自己開示」しました。相互に自己開示することで、弱いかもしれませんが、確かな「つながり」を持つことができた、その一歩を踏み出すことができたと自負しています。

今年は昨年築き上げた「弱いつながり」を大切に丁寧に育みながら、当社が掲げたミッション達成に向けて、力強く歩みを進めていきたい。

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