Weekly Digest 不都合な真実

10月27日(土)の夜、恵比寿駅西口から徒歩3分にある「恵比寿シアターアルファ東京」を訪れました。妻と二人で演劇を鑑賞するためです。ここ1〜2年、妻と二人で演劇・舞台を鑑賞しようと会話をしながら、なかなか実現していませんでした。今回は知人の舞台女優が出演することもあり、案内されるまま内容もよく確認せずにチケットを購入しました。

演目は『Vanity』。作・演出は中津留章仁氏。現代日本が直面する問題を正面から捉えた群像劇でした。「vanity」とは、虚栄、うぬぼれ、見栄を意味します。
失礼な言い方ですが、余り期待していない中で予想を上回る内容で2時間15分があっという間でした。アパレル会社を舞台にした、社会派エンターテイメントとして仕上がっていて、硬派で骨太なメッセージにあふれていました。新型コロナウイルス感染症やロシアによるウクライナ侵攻が企業社会に及ぼした影響に始まり、日本の企業が抱える人権を軽んじた仕事の実態、SDGs(持続可能な開発目標)における「不都合な真実」まで盛り込まれていました。

冷戦終了後、グローバル時代が到来してから30年。世界はつながり過ぎたリスクに直面しているのではないでしょうか。自分の半径5メートルで起こっていることは、世界が抱えるさまざまな課題とは無関係ではありません。
主人公はファストファッションの売れ残り、つまり余剰在庫を整理する仕事をしています。日本の法律では、労働者の人権を守るために社員を容易には解雇できません。会社側は自主退職させたい、という本音、その「不都合な真実」を隠したまま、倉庫業務に不要な人材を送り込んでいました。主人公は会社から厄介者扱いをされていたのです。
主人公と出会った起業家は、SDGsの理念に基づく社会正義に燃え、ファストファッションなどの余剰在庫を途上国に寄付していました。しかし、実態はどうだったのか。途上国でも不要な衣服があふれ、捨てられた大量の衣服がゴミの山となり、地球環境に甚大な影響を及ぼしています。美辞麗句を並べてはいますが、先進国で売れ残った在庫、ゴミを処分するために利用し、途上国はその犠牲となっているという「不都合な真実」があったのです。

「不都合な真実」と向き合う覚悟が問われています。目を背けず耳をふさがず、しっかりと物事の本質を探求する姿勢を忘れずに日々を過ごして行きたい、と感じた週末でした。

先週、NewsRoomに投稿した記事をまとめてご紹介します。


10月24日(月) 荒木洋二のPRコラム
【過去の人気コラム】#62 企業の魅力を考察する(2)


10月24日(月) お知らせ
【再度のご案内 オンラインイベント】11月11日(金)13時〜 「知られたいですか? それとも、選ばれたいですか?」(無料)


10月27日(木) 聴くPRコラム
【過去の人気コラム】聴くコラム 企業の魅力を考察する(2)


10月28日(金) 図解と文字で学ぶ! 超解説「広報人 eラーニング」
初級講座「Ⅲ.実務能力編」 プレスリリースの作り方 最終チェックリスト②


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