Weekly Digest 先週の記事まとめ

菓子製造大手・三幸製菓の荒川工場(新潟県村上市)での11日の火災発生から、10日が経過しました。前回犠牲者6人のうち5人が高齢者と記載しましたが、4人の誤りです。2人は20代の社員でした。
毎日新聞の報道(2月21日9時20分)を見ると、清掃アルバイトで働いていた高齢者たちは、働きがいを感じていた様子がうかがえました。夜間の場合、時給は1,500円。条件も良く、10年以上働く高齢女性も多くいたようです。生きがいを感じ、職場の仲間とも交流が深く、仲が良かったことも報じられていました。職場での人間関係は良好で、精神面では非常に働きやすい職場だったことは間違いがなさそうです。
それだけに悔やまれるのが安全管理体制です。働く人の安全を確保することは、最も重要な企業の役割の一つです。決して、軽視したり疎かにしたりしてはいけない最優先事項です。前述の報道によれば、出勤のスケジュールが合わず、避難訓練に参加していない人が犠牲者に含まれていた、といいます。1988年から2019年までに計8件の軽微な火災発生から考えても、安全投資が十分でなかったと批判されても言い訳できない状況です。
16日19時に三幸製菓のウェブサイトに第3報が掲載されました。全工場の生産停止期間はおよそ3カ月となること、外部の専門家を交えて事故原因分析と対策検討を進めることが記されていました。

しかし、三幸製菓の情報開示と説明責任に対する姿勢は極めて不十分だと言わざるを得ません。毎日新聞の報道では、十分な説明がないことに「犠牲者の遺族や同僚らは悲しみと怒り、不信感を募らせている」といいます。新潟日報(2月22日10時)によると、同社の佐藤元保・代表取締役CEO(最高経営責任者)は取材には、無言で応えていません。「県内に拠点を置く報道各社が加盟する新潟司法記者クラブが18日、記者会見の早急な開催を求めて文書で申し入れたが」、開催の予定はないと回答したともしています。
情報開示と説明責任は、企業の社会的責任の一丁目一番地です。同社の今後の対応を注視したいと思います。

先週、NewsRoomに投稿した記事をまとめてご紹介します。


2月14日(月) 荒木洋二のPRコラム
広報PRコラム#65 企業の魅力を考察する(5)


2月16日(水) 荒木洋二のPRコラム
聴くコラム 企業の魅力を考察する(5)


2月18日(金) 図解と文字で学ぶ! 超解説「広報人 eラーニング」
中級講座 Ⅰ.理論・基礎知識 経営と広報 CSRの基礎 〜CSRとは(1)〜


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