Weekly Digest 先週を振り返る

ブランドの語源をご存じだろうか。当ニュースルームのカテゴリー「荒木洋二のPRコラム」で何度か触れたことですが、答えは「家畜の焼き印」です。
目に見える「焼き印」ということであれば、企業・組織のロゴマークがまさに「焼き印」です。企業社会においても、ロゴを作ることがブランディングであるかのような風潮が、長らく続いていたように捉えています。しかし、それはあくまでも表層的なことに過ぎず、本質はもっと心理的な感情的な部分にまで踏み込んだものです。
企業ブランディングとは何かと問われれば、少々大胆に感じるかもしれませんが、わが社の魅力を心に「焼き印」することです。誰の心かといえば、目の前にいる、自らを取り巻く関係者たちの心です。つまり、経営者、社員、顧客、取引先、パートナー、株主、地域社会(役所・住民)たちの心に魅力を「焼き印」することがブランディングの本質なのです。

9月15日(木)の夜、都内(銀座一丁目)でセミナーに参加しました。NPO法人日本リスクマネジャー&コンサルタント協会(略称:RMCA)主催の第117回東京オープンセミナー、タイトルは「日本の地政学リスク~オリンピズムで日本のソフトパワーを再考する~」。講師はスポーツ国際開発学(修士)の嘉正空知(かしょう・そらち)氏でした。嘉正講師は筑波大学大学院人間総合科学研究科でスポーツ国際開発学、特にオリンピズムの研究に従事しました。
地政学リスクをテーマに約70分間、講義を拝聴しました。そもそも地政学とは、そもそもオリンピズムとは何か、という言葉の整理、基本的な知識から始まり、講師自身のアフリカ・ルワンダでの体験も交えて語ってもらいました。
特に印象に残ったのがサブタイトルにもある「ソフトパワー」です。通常、国力とは「軍事力+経済力」のことです。ここにソフトパワーを加えます。ソフトパワーとはスポーツ・芸術などの文化、価値観のことを指します。その国自治体の「魅力」のことです。これからの国際社会ではソフトパワー戦略がより一層重要になることを強調していました。

これからは日本という国自体のブランディングが、ますます重視されるでしょう。企業ブランディングとは、わが社の魅力をみんなの心に焼き印することです。国のブランディングも同様です。わが国の魅力をみんなの心に焼き印することが、ブランディングです。自国だけでなく、より多くの国々の人たちにどこまで日本の魅力を焼き印できるのか。ソフトパワーに磨きをかけ、見える化し、速く広く発信し続ける地道かつ丁寧な不断の取り組みが欠かせません。

先週、NewsRoomに投稿した記事をまとめてご紹介します。


9月12日(月) 荒木洋二のPRコラム
【過去の人気コラム】#15 企業が発信すべき2種類の情報


9月14日(水) 聴くPRコラム
【過去の人気コラム】聴くコラム ブランディングの鍵は「舞台裏」にあり(6)


9月16日(金) 図解と文字で学ぶ! 超解説「広報人 eラーニング」
初級講座「Ⅲ.実務能力編」 プレスリリースの作り方 プレスリリースを構成する各項目の作り方③


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