Weekly Digest SDGsの未来

SDGsは、ここ2年くらいで企業社会で定着しました。中小企業の社長、若年層の社員まで浸透しているのではないでしょうか。今やブーム、流行の域に達している感まであります。SDGsは何の略で、日本語では何といい、そもそも一体何なのか。その根本、拠って立つべき考えは何なのか。これらのことを理解しないと、単なる掛け声や一時的なブームで終わりかねません。

SDGsとは、「Sustainable Development Goals」の略で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されています。「エス・ディー・ジーズ」と読みます。2015年9月の「国連持続可能な開発サミット」で採択されました。国際連合加盟193カ国が、2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。「貧困をなくそう」、「飢餓をゼロに」、「質の高い教育をみんなに」、「人や国の不平等をなくそう」など、17の目標が掲げられています。日本でも大企業・上場企業は、どの目標に対し、どんな活動を実施しているのか、などをウェブサイトや統合報告書で公表しています。

ここでSDGsに取り組む前に押さえておくべき概念があります。「CSR=Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任」です。経営者は企業・組織として、今までどれほど真剣にCSRについて追求し、取り組んできたのか。
ここを理解していないと、(少々辛辣な表現になりますが)単なる売名行為や印象操作の道具として、扱われ、本質から逸脱した行為や結果を生み出すことにつながる危険があると見ています。

さらに、企業の社会的責任の一丁目一番地は何かと言えば、それは「情報開示」と「説明責任」です。上場・非上場、規模の大小に関係なく、企業はすべからく、社会からの付託により経営資源をもとに事業を営んでいます。ですから、社会に対して、利害関係者に対して情報を開示し、理解できるように説明する責任を負っています。自社に都合のいい情報だけ、自社の利益だけを優先して、SDGsに取り組んでいるとしたら、SDGsの未来は暗たんたるものになってしまいます。

特に中小・中堅企業、スタートアップは「情報発信」をマーケティング中心の「情報操作」に変容しやすい傾向があります。SDGsの未来を明るくするために、経営者はまず日常的に「情報開示」と「説明責任」に努めるべきでしょう。

先週、NewsRoomに投稿した記事をまとめてご紹介します。


11月28日(月) 荒木洋二のPRコラム
【過去の人気コラム】#80 ステークホルダー考(1)


12月1日(木) 聴くPRコラム
【過去の人気コラム】聴くコラム ステークホルダー考(1)


12月2日(金) 図解と文字で学ぶ! 超解説「広報人 eラーニング」
初級講座「Ⅱ.組織能力編」 仕組みをつくる ~はじめに~


前の記事へ 次の記事へ