Weekly Essay ブランド魚 関あじ・関さば
先週の何曜日だったのか、記憶が定かではありませんが、地上波の情報番組内で大分県の「関あじ・関さば」を取り上げていました。確か妻も「ながら視聴」だったのですが、情報が流れるやいなや「同じ豊後水道で獲れた、あじとさばなのに何でこんなに差があるの」とため息混じりの声でつぶやきました。
どういうことなのか。私の妻は愛媛県八幡浜市の出身。結婚後、何度となく「八幡浜港はかつては四国最大の漁港だった」と聞かされていました。豊後水道とは、九州の大分県と愛媛県に挟まれた水道です。八幡浜港からは、大分・別府行きのフェリーが定期運行されています。
ざっくりといえば、この豊後水道で獲れた、あじとさばが「関あじ・関さば」と呼ばれ、いわゆる「ブランド魚」として、その名を日本全国に轟かせています。なぜ、愛媛ではなく大分ばかりが注目され、有名なのか。そこに愛媛県出身者として少々不満があるというわけです。
先週末、私用で4年半ぶりに家族全員で愛媛を訪れる機会があり、妻との間で同じような会話がありました。そこで気になったので、少しネットで調べてみたところ、釣り情報&ニュースサイト『FISHING JAPAN』に行き着きました。
同サイトによると、「関あじ・関さば」の呼び名は、どうやら大分県佐賀関で水揚げされたものだけしか使えないようです。しかし、「実際は、佐賀関の対岸、愛媛県の佐多岬半島から漁に出ている三崎漁協の漁船も、佐賀関の漁師と同じ漁場」だといいます。同じ漁場で獲れたのに、愛媛・三崎漁港で水揚げされるとその呼び名が使えない、つまり「ブランド魚」としては流通できない、ということです。同サイトによれば、佐賀関の漁業協同組合の努力があって、「ブランド魚」として認められ、現在の「名声」を得ているといいます。
ブランドを確立するまで、どんな取り組みをしてきたのか。その「舞台裏」に関心を持ちました。一度、調べてみようと思いました。