Weekly Essay ヘリコプター体験(2) 〜下田現調プロジェクト

前回エッセイで触れた「下田現調プロジェクト」とは何なのか。5人の社長が相互の強みを連携させることで新しい事業ができるかもしれない、という思いから当プロジェクトは始まりました。それぞれの社長はどんな事業を展開しているのか。次のとおりです。

1)ヘリコプター遊覧飛行において、国内1位のフライト実績を有する企業
2)ホテル経営(伊豆下田に2施設/内一つは会員制高級ホテル)と飲食事業(都内)を展開す企業
3)経営者・弁護士・医者など富裕層向け会員サービスを提供する企業
4)エンターテイメント系事業(サウナフェス企画など)を展開する企業
5)広報ブランディング内製化を支援する企業(当社のことです/私の出身が伊豆下田)

各社の得意とする分野を持ち寄ることで、相互にプラスになる、互恵的な関係を築けるのではないか。それぞれがそう思えたので、実施に踏み切りました。ただ、当社に関しては、事業そのものにどこまで関われるかは未知数でした。どちらかというと事業が立ち上がった際に、広報・ブランディングに関する実務で貢献できるだろう、と判断しました。何よりも、故郷・伊豆下田の活性化につながる仕組みがつくれるのではないか。そんな期待も抱いていました。

ヘリコプターは高度600メートル、時速200キロで下田に向かいました。東京スカイツリーのそばを通過した際、自分の目線から高度の高さを実感できました。通常であれば、40〜45分で下田に到着するそうです。今回は航路の制限があったため、50分かかりました。
初めて搭乗してみて、事前の予想と違ったことが2点ありました。一つは離着陸の際にほとんど揺れ、振動がなかったことです。飛行機だと時速300キロでしかも車輪で地上を走行します。乗客に当然その速度による振動が伝わります。ヘリコプターもそれなりに揺れるだろうと予想していました。しかし、プロペラなので離陸時は垂直に機体が浮揚するだけですし、着陸時も同様です。ですから揺れや振動はほぼ感じませんでした。
もう一つは飛行している最中、その機体の小ささや揺れ、眼前の広大な風景に多少怖さを感じるのではないか。そんな思いを抱いていましたが、飛行時も揺れはほとんどありませんでした。高度600メートルから都心の街並みや、天城山などの美しい山々を眺めながら、何の恐怖も感じない、不思議な感覚でした。貴重な体験であり、ヘリコプターの魅力も体感できました。

ヘリコプターの醍醐味、強みは何のか。ヘリコプターを利用する理由は何なのか。自動車や電車での移動だと時間がかかり、しかも飛行機便もない、「秘境の地」のような場所への移動に向いている、と言います。伊豆下田はその条件に当てはまっています。ただ、利用料金は決して安くはありません。富裕層と呼ばれる人たちでないと利用できないでしょう。

地域活性化につなげるプロジェクト、事業として構築するためには、まだまだ解決しなければならない課題や問題が多々あります。諦めることなく、実現の道を切り開けるように知恵をめぐらせ、行動を続けていきたい。


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