Weekly Digest 先週の記事まとめ

8日、第205回国会の開会にあたり、岸田文雄首相が所信表明演説をしました。『読売新聞オンライン』(2021年10月8日15時)で全文を掲載しています。野党が一斉に「具体性に欠ける」、「中味がすかすか」と批判したことも同日夜に報道されていました(『時事通信』/同日21時19分)。野党に限らず批判する人たちは周りにも散見されました。

ただ、広報PRの視点からは注目すべき内容も含まれていました。先週も触れた「新しい資本主義」については、同演説にも盛り込まれていました。岸田首相が掲げた三つの政策は、「新型コロナ対策」、「新しい資本主義の実現」、「国民を守り抜く、外交、安全保障」です。新しい資本主義とは、持続可能な資本主義であり、公益資本主義でもあります。広報PRは何のために行うでしょうのか、なぜ必要なのでしょうか。それは、持続的な公益の最適化、長期的な社会的利益の最適化のためです。

岸田首相は、新しい資本主義実現のために成長と分配の好循環が必要だと主張しました。注目すべきは、分配戦略の第1の柱として挙げた「働く人への分配機能の強化」です。岸田首相は「企業が、長期的な視点に立って、株主だけではなく、従業員も、取引先も恩恵を受けられる『三方良し』の経営を行うことが重要です。非財務情報開示の充実、四半期開示の見直しなど、そのための環境整備を進めます。政府として、下請け取引に対する監督体制を強化し、大企業と中小企業の共存共栄を目指します」と力強く述べています。

企業が社員、顧客、取引先、株主、地域社会などのステークホルダーから信頼され、共感されるために何を伝えるべきでしょうか。当ニュースルーム「荒木洋二のPRコラム」で再三再四主張している「表舞台」と「舞台裏」の情報です。「表舞台」の情報の最たるものが財務情報です。岸田首相が語った「非財務情報開示」とは、すなわち「舞台裏」の情報を明かそう、伝えよう、ということです。

企業だけでなく、政府も同様です。情報開示と説明責任に欠ける政治が長く続いています。意思決定のプロセスを明らかにし、着飾らないありのままの姿を伝えることがどれほど重要なのか。岸田首相が掲げた「信頼と共感の政治」が実現できるかどうか。これからの情報発信に注視したいと思います。

先週、NewsRoomに投稿した記事をまとめてご紹介します。


10月4日(月) 荒木洋二のPRコラム
広広報PRコラム#47 CSRからISRへ(3)


10月5日(火) KOHOgene News
【定期・無料】「広報PRを学ぶためのeラーニング(245講座)」「広報媒体作成のワークショップ(3種類)」「個別相談」のご案内


10月6日(水) 荒木洋二のPRコラム
聴くコラム CSRからISRへ(3)


10月8日(金) 図解と文字で学ぶ! 超解説「広報人 eラーニング」
中級講座 Ⅰ.理論・基礎知識 広報・PRの歴史 日本の広報・PR業界:専門職大学院・専門誌


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