Weekly Digest 先週の記事まとめ

「ロングテール理論」をご存知ですしょうか。2004年10月、米国の雑誌『ワイヤードマガジン』で初めて「ロングテール」という理論が掲載されました。この掲載を機に、この理論は瞬く間に全世界に広がりました。提唱したのは同誌編集長のクリス・アンダーソン氏です。同氏のインタビュー記事が『CNET JAPAN』(2006年7月28日付け)に掲載されています。富士通総研はロングテール現象について、次のように説明しています。「ネット販売において、ほとんど売れないニッチ商品の販売額の合計が、ベストセラー商品の販売額合計を上回るようになる現象のこと」であり、「販売ランキング順に販売額の曲線を描くと、ベストセラーが恐竜の高い首(ヘッド)で、ニッチ商品が長い尾(テール)のようになっているところから名づけられた」といいます。
2004年の国内EC(電子商取引)市場規模はBtoC(対消費者向け)で約5.6兆円(前年比28%増)でした(NTTデータ研究所の2005年6月28日付けニュースリリース)。現在の同市場規模は、19.3兆円(前年19.4兆円、前年比0.43%減)です(経済産業省の2021年7月30日発表の調査結果)。

現在、メディア業界というかエンターテイメント業界でも同じような現象が起きています。
昨日の『Yahoo!ニュースオリジナル特集』での記事が目に飛び込んできました。50歳の主婦や20代の漁師が動画アプリのTikTokにより、小さなスターとしてファンを獲得しており、そんな現象が各地で生まれているというものです。主婦は7万人、漁師の若者は70万人のフォロワーがいるといいます。表現意欲は、差こそあれ元来個々人に備わっているものと言われます。インターネットの普及とともに、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)やアプリなど、簡単に情報発信できるツールが普及したことにより生まれた現象です。すでにYouTubeでも類似した現象が起きていることは言うまでもありません。
今までの時代はマスメディアによって「大スター」が生まれました。そこでは企業が「ヒト・モノ・カネ」という経営資源を投入しなければ、生まれる余地などありませんでした。
テレビ業界がコンプライアンスの徹底により、かつてのような過激な表現ができなくなりました。一方でYouTubeではまるで30年以上前のテレビ番組のような企画があふれています。明らかに流行が生まれる情報の流通経路や形態が変化しています。無名なアーティストが一躍有名になる現象も毎年のように起きています。
企業のマーケティングや広報担当者はこの流れをどう捉え、どう関わっていくのか。個人での現象をそのまま企業のマーケティングや広報に焼き直すだけでは通用しないでしょう。知識と洞察力を磨く努力を怠らずに日々の業務に当たりたいと強く思います。

先週、NewsRoomに投稿した記事をまとめてご紹介します。


11月1日(月) 荒木洋二のPRコラム
広報PRコラム#51 広報人とは(4)


11月2日(火) KOHOgene News
【定期・無料】「広報PRを学ぶためのeラーニング(245講座)」「広報媒体作成のワークショップ(3種類)」「個別相談」のご案内


11月4日(木) イベント情報
【ブランディングセミナー】あなたの会社のブランディングを考える無料オンラインイベント『少人数の参加型!PR業界のしくじり先生と楽しく学ぶ、誰でも正しくできるブランディング』 


11月4日(木) 荒木洋二のPRコラム
聴くコラム 広報人とは(4)


11月5日(金) 図解と文字で学ぶ! 超解説「広報人 eラーニング」
中級講座 Ⅰ.理論・基礎知識 戦略設計と活動計画 戦略とは?/経営理念(1)


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