Weekly Digest 先週を振り返る

製菓大手の三幸製菓(新潟県新潟市)は5月31日(火)16時から記者会見を開きました。遺族や報道機関から再三再四記者会見を求められ、ようやく開催に至りました。すでに火災事故発生から約3カ月半が経過しています。会見は同社代表取締役CEOの佐藤元保氏一人が登壇して行われました。3時間を超える会見だったようです。

同社のウェブサイトはいまだに閉鎖中ですが、今までの情報開示に続けて、以下二つの公式見解が記者会見と同日付けで掲載されています。

・火災事故調査委員会から受領した調査報告(1次報告)について

・三幸製菓による再発防止策の実施及び計画内容について

前者は松原美之教授(東京理科大学)を委員長とする「荒川工場火災事故調査委員会」より、 事故原因などが報告された内容に同社が図面などを追加した資料です(2022年5月26日時点の情報に基づく)。全部で24ページに及び、今までの情報開示よりははるかに詳細が記載されています。

後者は再発防止策について、パワーポイントで23ページにまとめた資料です。図面や写真などを多用し、視覚表現にも工夫が見られ、分かりやすく伝えようとの意思が感じられる構成です。

テレビでの報道によると、遺族も納得とまではいかないまでもようやく第一歩を踏み出したと評価しているようです。

今回の公表資料で分かったこととして、工場が全焼していることもあり、いまだに事故原因は解明されていないということです。同調査委員会も「これらは、三幸製菓より提供を受けた情報に基づく本報告時点における当委員会としての推察であり、事実認定ではない」と強調しています。あくまでも推察に過ぎないということです。「今後、消防及び警察による調査結果が提供され、当委員会における調査が進捗する中で、本報告で示した内容が変更となる可能性がある」との断りも入れています。今後調査分析が進み、事実としての事故原因が解明されることを期待しています。

ただ、資料を見る中でいくつかの腑に落ちない点、疑問点がありました。次週、それらについて言及したいと思います。

先週、NewsRoomに投稿した記事をまとめてご紹介します。


5月30日(月) 荒木洋二のPRコラム
広報PRコラム#79 未来のパブリシティ(3) 〜パブリシティの未来(番外編)〜


6月2日(木) 聴くPRコラム
聴くコラム 未来のパブリシティ(3) 〜パブリシティの未来(番外編)〜


6月3日(金) 図解と文字で学ぶ! 超解説「広報人 eラーニング」
初級講座「Ⅲ.実務能力編」 ファクトブックの作り方 4.ファクトブックの各項目の作り方  ①第1部 どんな会社なのか?


前の記事へ 次の記事へ