初級講座「Ⅲ.実務能力編」 プレスリリースの作り方 はじめに(目次)

こんにちは、荒木洋二です。

今回から15回にわたり、「プレスリリースの作り方」を解説します。
今回は「はじめに」と題して、目次と概要について説明します。

プレスリリースとは何でしょうか。単語で分解してみると明白です。
「プレス」とは報道関係者のことです。「リリース」とは発表するということです。
つまり、プレスリリースとは「報道関係者向け発表資料」です。

「ファクトブックの作り方」と同様、次のスライドに記載した六つの項目によって構成されています。

ここでいくつかの言葉を整理しておきます。

プレスリリースを記者クラブに配布することを「投函」と言います。記者クラブとは一体何なのか、ということは別の講座で解説します。
報道関係者個人にメールやファックスでプレスリリースを送ることを「配信」と言います。
「プレスリリースの作り方」講座では「プレスリリースを投函する」「プレスリリースを配信する」という言葉を使いますのでご理解ください。

次に「報道関係者向け発表資料」であるプレスリリースには書き方、配布の仕方にルール、原則のようなものがあります。この原則、ルールを守る必要があります。書き方の原則を守らないと読んでもらえなかったり、理解してもらえなかったりします。必ず原則に沿って文章を書き、ルールに沿ってプレスリリースを配布してください。

文章を書く上で大切なのが、共同通信社が発行している『記者ハンドブック』です。『記者ハンドブック』を基準として、プレスリリースの文章を書いてください。2022年3月に最新の第14版が発行されました。ぜひ購入して、文章を書く際は手元に置き、辞書のように使ってください。

漢字や平仮名の使い分け、漢字の選び方など、細かい内容が『記者ハンドブック』に記載されていますので、これを「正」として、基準にして文章を書いてください。

新聞社ごとに記者ハンドブックは発行されています。
では、なぜ、共同通信社のものを推奨するのか。その理由を簡潔に述べます。

共同通信社は通信社なので媒体を持たない、ニュースの「卸屋」のような立場です。テレビ、全国紙、地方紙、業界紙など、多くの媒体が加盟し、そのニュースを買っています。海外の通信社でいえば、米国のAP通信、中国の新華社通信、ロシアのタス通信などがあります。
新聞でも記事のリード文の最後に「(共同)」と記載された記事があります。これは共同通信社の記事という意味です。このように多くの媒体に影響を与えているという理由から共同通信社を推奨しています。
筆者の体験談を紹介します。食品業界で広く購読されている『日本食糧新聞』の編集長と話した時(2018年だったと記憶)のことです。文章の校正は基本は共同通信社の『記者ハンドブック』とし、ただし、業界慣習として食品業界に定着している用語に関しては慣習を優先する、というルールを決めていました。

もっと細かい、具体的な文章の書き方については、中級講座で「文章の書き方」講座を設けていますので、そこで改めて受講してください。

では、最後にもう一度、プレスリリースとは何なのか。次のスライドで確認して、今回の講座は終了です。


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